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茂木和哉の成分の秘密を科学的に考察してみた

茂木和哉の秘密

成分に秘密?水アカが驚くほど落ちる洗剤 茂木和哉とは?

皆さん茂木和哉という洗剤はご存知でしょうか?

一時期テレビやSNSで話題になった洗剤なのでご存知の方も多いはず。
この洗剤は茂木和哉という方が開発した水アカ専用の洗剤です。この茂木和哉は累計出荷本数が150万本以上の売上を誇っています。
茂木和哉さんは18歳のときにバイトで温泉浴場清掃を経験してから、洗剤などに興味を持ち、20歳のとき工業薬品・洗剤を販売する会社に就職後、洗剤の魅力に魅了され、独自の洗剤を作って行くようになります。そして38歳のときに、自分の名前を冠した洗剤「茂木和哉」を販売・大ヒットしました。

清掃仕事20年間の経験から生み出されたものなんですね!

この茂木和哉という洗剤は水アカが驚くほど落ちるということから話題になりテレビで取り上げられて大ヒットしました。では、どうしてそんなに落ちるのか?化学的な視点から検証していきたいと思います。

主成分はスルファミン酸

茂木和哉の成分についてですが、もちろん企業秘密で全ての原料を知ることはできませんでした。

しかし、水アカを落とすのに役立つであろう主成分はきちんと表示されていました。その名前は「スルファミン酸」です。

茂木和哉にはこのスルファミン酸とその他の洗浄剤、研磨剤などが配合されているようです

スルファミン酸という名前はあまり聞き馴染みのないものだと思います。一体どんな特徴があるのでしょうか?

スルファミン酸とは?

スルファミン酸は化学に詳しい人でも分野によっては聞き馴染みのない物質だと思います。スルファミン酸は、という名前がある通り、酸性の化学物質です。下の図がスルファミン酸の構造式です。スルファミン酸

硫酸に似ているような気がする?

硫酸はH2SO4でスルファミン酸のNH2がOHに変われば硫酸になります。酸性の強さを表すpKaは硫酸が-3に対して、スルファミン酸は1です(低いほど強酸性)。硫酸と比べると弱い酸ですが、pKaが1と結構低く、酢酸などと比べれば強い酸です(酢酸pKa4.8)。

酸が強いとpKaはマイナスになります。スルファミン酸は結構強い酸なので手袋を使ったほうが良いですね

酸性の化学物質は洗剤成分としてよく使用されています。最近は目にすることが減った気がしますが、トイレ用の洗剤「サンポール」も有名な酸性の洗剤(塩酸)で、尿石を落とすのに有効です。

でもどうして酸で水アカや尿石が落ちるの?

酸で汚れが落ちる仕組み

水アカ成分の一つである炭酸カルシウム(CaCO3)水に非常に溶けにくいです。また、シンナー等の有機溶媒にも溶けにくいため、通常の食器洗剤のようなもので洗浄しても汚れを落とすことができません。ここで活躍するのが酸です。炭酸カルシウムと塩酸の反応炭酸カルシウムは塩酸と反応して塩化カルシウム(CaCl2)になります。この塩化カルシウムは炭酸カルシウムと違って水に溶けやすいので、汚れを落とすことができます。つまり、水に溶けにくくなった水アカ(炭酸カルシウム)を化学変化させて、水に溶けやすい形(塩化カルシウム)に変えることで、汚れを落とす仕組みになっています。

塩酸とスルファミン酸(茂木和哉)はどう違うの?

水アカの主成分・炭酸カルシウム(難水溶性)に塩酸を加えると塩化カルシウム(水溶性)に変化するので水アカを落とせます。

では塩酸を硫酸に変えるとどうなるのかな?

ここで塩酸を硫酸に変えると、塩化カルシウムではなく、硫酸カルシウムができます。硫酸カルシウムは別名「石膏」と呼ばれるギプスの主成分です。硫酸カルシウムは水に溶けないので、硫酸は水アカ落としには向いていないです。

炭酸カルシウム(水に溶けない)→硫酸カルシウム(水に溶けない)のでは硫酸をつかっても意味ないですね

つまり、

強力な水アカ(炭酸カルシウム)を水に溶けやすい物質に変えるパワーがある物質

が強力な水アカ落としということになります。

じゃあ茂木和哉のスルファミン酸は水アカを水に溶けやすい物質に変換する力が強いということ?
はい!そういうことになります。

調べてみると、実際にスルファミン酸によって生成する塩(M+NH2SO3: Mは金属[Ca,Mg,Na, etc.])は水にとても溶けやすなるという特徴があります。だからスルファミン酸は水アカを強力に除去できるんですね!

スルファミン酸の特徴を詳しく考察する

スルファミン酸は炭酸塩や水酸化物塩の汚れを落とす力が強いという特徴以外にも洗剤として有利なポイントがあります。

  1. 常温で安定な固体
  2. 揮発性が無い
  3. 無臭
  4. 低毒性
  5. 金属の腐食性が小さい

1.固体は運搬時に溢れる心配もなく、自由に液体にすることができるので便利です。

2.揮発性が無いというのも安全性の面で重要です。塩酸などの揮発性の酸は徐々に気体となって放出されるので、肺に入ったり皮膚表面を侵すため危険です。比較的強い酸であるスルファミン酸でも揮発性が無いので安全です。

3.無臭な点もポイントです。酢酸などの酸は臭いので扱いにくいです

4.生物への毒性が低いとされています。強酸なので危険といえば危険ですが、

5.金属への腐食性が高いと金属部分などを錆びさせたり、変色させてしまうため、使い場所が限られてきますが、スルファミン酸はその心配が少ないので使いやすいです。

欠点としては水アカではありませんが、サビ(酸化鉄)を落とす力が弱いという欠点もあります。

茂木和哉の秘密に化学の力!

茂木和哉という洗剤にはもちろんスルファミン酸以外の研磨剤成分も配合されているので、洗浄力の秘密が全てスルファミン酸というわけではないでしょう。ですが、スルファミン酸という化学成分が水垢落としの一翼を担っていることは間違いないでしょう。

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております

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