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ホホバオイルの成分や効果を科学的に考察!

ホホバオイル

みなさんはホホバオイルは使っていますか?

化粧品などで用いられるオイルには本当にたくさんの種類があります。医薬品用途にも使われるワセリンは石油由来の成分ですが、高度に精製されたものは化学的に安定で軟膏の基材として使われています。

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ホホバオイルも化粧品や軟膏などに使われるオイルの一つで、ホホバという植物の種子からとれる油です。ホホバオイルは安定性が高いオイルとして知られています。

本記事ではホホバオイルの成分や特徴について紹介していきます。

ホホバオイルとは?

ホホバオイルはクレンジングや肌保湿など化粧品用途に使われる天然のオイルです。

ホホバオイル from wiki PD

ホホバオイルはホホバという植物の種子から取れる油です。

ホホバはヤマゴボウなどが属するナデシコ目の植物でシモンジア科というホホバだけが属する科に入っています。

ホホバの木 from wiki PD

そんな理由があるからというわけではないでしょうが、ホホバから取れるオイルはオリーブオイル等の他の植物油とは成分が少し違います。

ホホバオイルは冬場など寒冷な場所に放置しておくと固体になったりするのを見たことがある人も多いかもしれません。こういった現象はオリーブオイルやキャノーラ油などではみられませんよね?

ホホバオイルはワックスエステルという油脂成分が多いです。通常の種子由来のオイルはトリグリセリドという成分が多いです。

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ホホバオイルが固まる理由

ホホバオイルの成分、ワックスエステルはろうそくの蝋の成分と同じ分類です。ロウは油の一種ですが、室温では固体です。だからホホバオイルは固まりやすいといえます。オリーブオイルなどは脂肪酸と呼ばれる分類の油でワックスエステルよりも融点が低く固まりにくいです。

こめやん

化学的な安定性が高いのも主成分がワックスエステルだからですね

ホホバオイルの主成分について

ワックスエステルが成分として多いということは紹介しました。それでは、ホホバオイル中の成分として最も多いのはなんでしょうか?研究の結果、cis-13-docosenyl cis-11- eicosenoateという成分が主成分であると報告されています1)

ワックスエステルの主成分

ホホバオイル中のワックスエステルの主成分

1) Miwa, Thomas K. “Structural determination and uses of jojoba oil.” Journal of the American Oil Chemists’ Society 61.2 (1984): 407-410.
ホホバオイルを塩酸により加水分解して脂肪酸とした後、エチルエステル化してGLC分析した結果、脂肪酸部位はエイコセン酸35%、ドコセン酸7%であり、アルコール部位はエイコセノール22%、ドコセノール21%、テトラコセノール4%でした。
Miwa, Thomas K. “Jojoba oil wax esters and derived fatty acids and alcohols: gas chromatographic analyses.” Journal of the American Oil Chemists’ Society 48.6 (1971): 259-264.
摂取量の増加につれて用量依存的に体重の減少がみられました。また、トランスアミナーゼ等の酵素の活性上昇とそれによる細胞障害、白血球レベルの上昇などがみられるため、低吸収性の脂質食品としての代替はお勧めできないとされています。
ホホバオイルには抗微生物活性があるという報告がされていますが、この活性は限られた条件においてのみ発揮されるものであると結論づけられています。

ホホバオイルの毒性

ホホバオイルは頭皮も含めて全身に使えるスキンケア剤として販売されているようですが、毒性が気になりますよね?

ホホバオイルは皮膚に対する急性毒性は全くないといわれています。また、誤って食べてしまっても、マウスの経口毒性試験では死亡例はなく、安全性が高いとみなされています。

眼粘膜への刺激性を調べた結果、刺激性は発見されなかったようです。皮膚パッチ試験(クローズドパッチ試験)でも陰性でした。

つまり、ホホバオイルは通常のスキンケア用途に関しては人体に対して無害であると考えてよいでしょう。

三輪トーマス完二. “ホホバ油の最近の化学研究と利用.” Journal of Japan Oil Chemists’ Society 27.10 (1978): 650-657.

ホホバオイルの用途

ホホバオイルは化学的に安定な液体ワックスエステルです。産業や医療、化粧品など幅広く利用されています。酸化しにくいオイルで刺激も少なく、天然成分からできているという点で安心できる方も多いでしょう。

肌の保湿

ホホバオイルを皮膚に塗ることによって乾燥を防ぎ、肌の張りやツヤを維持するのに役立ちます。塗り感はさらさらしています。

肌ケアで最も重要なのは乾燥対策です。皮膚の水分蒸発を防ぐために皮膚表面にケア剤を塗るのは効果的です。様々な乾燥防止のためのスキンケア剤が利用されていますが、最もシンプルなものは油分です。

ホホバオイルの皮膚浸透性と水分蒸発について調べた論文があります。

ホホバオイル、大豆オイル、アボカドオイル、パラフィンオイル、アーモンドオイル、ワセリンなどを調査した結果、皮膚表面のみを覆った油はホホバオイル、パラフィンオイル、アーモンドオイル、ワセリンでした。皮膚表面の水分蒸発を防ぐ用途では経表皮水分蒸散量(TEWL測定)によるとホホバオイルよりもアーモンドオイルやパラフィンオイルのほうが水分蒸発が有意に少なかったようです。

Patzelt, A., et al. “In vivo investigations on the penetration of various oils and their influence on the skin barrier.” Skin Research and Technology 18.3 (2012): 364-369.

皮膚のエラスチンの形成が増加して光沢や弾力性が向上するといわれています。

オイル成分の皮膚への浸透について

肌からの水分蒸発は表皮から起こるので皮膚が空気に接する部分のみを覆ってしまえば乾燥予防の目的では十分です。逆に皮膚の内部に侵入してくるケア剤は特別な意図がない限りは、副作用の懸念を考えると避けるべきかもしれません。

ホホバオイルが固まってしまったら?

ホホバオイルはろうそくに使われているロウと似た成分ですが、常温で液体です。融点が少し高めなので、冬場など10℃以下くらいになると固まることがあります。

固まってしまった場合は湯せんすれば液体状態に戻せます。浴室や水場は気温が低いことが多いので、放置するとすぐ使えない状態になることが多いので、室内に置くなど保存場所には注意しましょう。

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