化学

塩化鉄(III):フェノール検出用TLC発色試薬の原理と作り方

塩化鉄(III)TLC発色試薬の原理と作り方と特徴

塩化鉄(III)(FeCl3)はフェノールの発色試薬

塩化鉄(III)はフェノール類を染色するTLCの発色試薬として使われます。塩化鉄(III)・FeCl3によるフェノール類の呈色は塩化鉄との錯体形成によるもので、フェノールの種類によって呈色されにくいものもあります。

塩化鉄(III)で染色すると淡黄色の背景にスポットは紫から緑、黄褐色など化合物によって様々な色の呈色が見られます。

塩化鉄(FeCl3)による呈色の原理

塩化鉄(III)とフェノールとが錯体を形成することによって呈色することが知られています。

発色試薬FeCl3の呈色の機構・原理・メカニズム

塩化鉄(III)・FeCl3発色試薬の作り方

  1. FeCl3・6H2O 1 g
  2. 水 5 mL
  3. エタノール 95 mL

塩化鉄(III)六水和物 1gを水 5 mLに溶解した後エタノール95 mLを加えて調製します。

塩化鉄(III)・FeCl3発色試薬の保存方法

室温で保存しておくと徐々に沈殿ができてきます。冷蔵庫に保存するのが推奨されているようです。寿命は短めで1週間ほどでダメになってしまうようです。

塩化鉄(III)・FeCl3発色試薬の使い方と特徴

展開したTLCを塩化鉄(III)・FeCl3発色試薬にディップまたは噴霧した後、加熱します(110℃-5min)。加熱する前から発色するものもあります。背景は淡黄白色です。スポットの色は化合物によって様々です。フラボノイド類は赤、紫、緑、赤茶色に染まり、カテコール類は緑や青色、塩類は黄色っぽい色に呈色します。通常は紫や緑っぽい色が多く、黄色や赤褐色系に発色することもあります。感度はそこまで高くないような印象があります。

発色するか化合物はフェノール類全般(フラボノイド類、タンニン類カテコール、フェノチアジン)、エノール類、ヒドロキサム酸、セレン類などがあります。

塩化鉄との錯体形成が呈色の機構であるため、フェノール類でも電子供与性基が多い酸化されやすいフェノール類は呈色されにくいです。一方でp-ニトロフェノール類など電子求引性基を持つフェノール類は呈色しやすいです。また、酸の存在で呈色が妨害されるという報告があり1)、p-ヒドロキシ安息香酸などのカルボン酸があるものは呈色しにくいです。

1)日本化学 会編,”続 実験化学 講座5(上)”,丸善 (1965,pp.446−452.

FeCl 3

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております