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ホフマン転位でアミドからアミンを合成

ホフマン転位

ホフマン転位は第一級アミドから1炭素減炭したアミンを得る反応です。臭素により生じたイソシアネートを経由してアミンが生成します。

ホフマン転位によるアミン合成

第一級アミドは臭素と反応することで生じるブロモアミドにより、転位が起こってイソシアネートが生成します。イソシアネートが加水分解・脱炭酸して1炭素減少したアミン体が得られます。

ホフマン転位の概要 from wikipedia public domain




ホフマン転位の反応機構

ホフマン転位は塩基性条件下で行います。

塩基によってアミドの水素が引き抜かれて生じたアニオンが臭素を攻撃してブロモアミドを生成します。ブロモアミドの水素が再度、塩基によって引き抜かれます。酸素からの電子の押出しの時、切れやすい窒素ー臭素結合があるためアルキル鎖が窒素上に転位してイソシアネートが生成します。イソシアネートは加水分解してカルバミン酸となり、これが脱炭酸してアミンを生成します。

ホフマン転位の反応機構

ホフマン転位の反応機構

ホフマン転位の利用

ホフマン転位は一炭素減少しますが、カルボン酸をアミンに変換する方法として使えますが、有機合成の実用性上は酸アジドを経由してイソシアネートを生成するクルチウス転位のほうがより温和な条件で実施できるので有用です。

ホフマン転位はDPPAなどのアジド試薬を使う必要がないメリットがあるので、強アルカリに安定な単純な基質に対しては適応しやすいです。

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