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ヘアカラーの仕組み

ヘアカラーの仕組み

髪染めにはたくさんの種類がありますが、どうして黒い髪が茶、赤、緑などの色に染まるのか?カラーリング剤の種類によって違いがあるのか紹介します!

ヘアカラーの仕組み

ヘアカラーには大きく分けて2種類あります。一つはカラー剤を髪の毛の表面につける「付着タイプ」と髪の毛の中まで浸透させて染める「染着タイプ」です。いずれにしてもカラー剤に入っている色素の色が髪の毛にくっつくことによって染め上げています。

付着タイプの特徴

付着タイプは髪の表面にくっつくだけなので、シャンプーで簡単に落とすことができます。一時的に髪を染めるのに使用します。

付着タイプの利点としては、髪を染めるわけではないので、

  1. 髪が傷まない
  2. すぐに落とせる
  3. 明るい色に染色しやすい
  4. 色移りしやすい

という利点があります。

顔料成分には酸化鉄(赤・ベンガラ)、マンガンバイオレット(ピロリン酸マンガンアンモニウム)などの無機化合物や

赤色202,203,204,404号、青色404号、黄色205号などが有機物の顔料で、水や油にも溶けにくい構造をしているものです。
付着タイプのヘアカラー剤ではヘアファンデーションのプリオールがあります。

カラーワックスも付着タイプのヘアカラー剤です。

ヘアチョークは付着タイプではなく、染着タイプのカラーリング剤ですが、一週間程度の持続なので使用感としては付着タイプに近いかもしれません。

韓国コスメで有名なエチュードハウスのヘアチョークは鮮やかな色に髪色を1週間程度変えられるようです。数回程度連続で使用するとより良い発色が得られるようですよ。

染着タイプの特徴

多くの髪染め剤はこの染着タイプです。染着タイプのヘアカラー剤は毛髪の成分と化学反応して直接髪の色を変える仕組みなので、髪染めは長持ちします。染着タイプの染料には

  1. 酸化染料(過酸化水素などで漂白) ブリーチとも
  2. 塩基性染料
  3. 酸性染料

の3種類に分類されます。髪の色が黒いのはメラニンと呼ばれる黒い色素が存在しているからですが、このメラニンを酸化的に分解して脱色する方法(ブリーチと呼ばれることも)が酸化染料で、やっていることは漂白と同じなので、髪へのダメージが大きいです。
酸性染料は酸性や中性条件で、染料を髪のタンパク質と水素結合あるいは疎水結合することによって染めます。
塩基性染料も酸性染料と同様に髪のタンパク質と化学反応することによって染めます。染料は髪に浸透・化学反応して固定化されるために長持ちします。

酸性染料の特徴と原理

染料による髪染めの原理染料の成分としてはアゾ基(N=N)とスルホン酸塩(SO3-)が含まれています。髪の毛の成分のうちリシンという成分は酸性(H+)を加えるとNH2→NH3+に変化します。ここにカラーリング剤を加えるとSO3-とNH3+は引き合うのでイオン結合して髪の毛に固定されます。これが髪の毛が染まるという状態です。イオン結合でしっかりと髪とカラー剤が結合するため髪色は長持ちします。

カラー剤をたくさん髪に反応させるためには、髪をきちんと酸性にする必要があります。酸性としてはpH=3くらいにする必要があります。

酸性染料の特徴は

  1. 効果は一ヶ月持たないくらいで落ちてくる
  2. ブリーチしないと明るい色には染められない
  3. 酸化タイプと比べて髪へのダメージは低い
  4. 頭皮を染めやすい

化学的な特徴としてはスルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基を分子内にもつ、色素です。橙205号は染着量が多いことが知られています。

髪への浸透を助けるためにヘアカラー剤にはアルコール類が入っています。
現在市販されているヘアカラー剤は過酸化水素が入っており、酸化させて染める方法を取っているものが多いです。人気ヘアカラー剤シリーズ、花王の泡カラー剤・リーゼプリティアなどもそうです。

塩基性染料の特徴

塩基性染料は酸性染料よりも歴史が浅いです。塩基性染料の染着メカニズムは酸性染料とは逆になっています。塩基性染料はアミノ基を含み、酸性アミノ酸のアニオン(COO-)と塩基性染料のNH3+とがイオン結合して染まります。塩基性染料は染着力が低く、不均一に染まってしまう傾向があります


カラーシャンプーの仕組みは?

通称「ムラシャン」として知られるカラーシャンプーはブリーチした髪の黄ばみを抑えて髪の発色を良くするのに使用するシャンプーです。青紫色をしているシャンプーなのでムラシャンと呼ばれています。これらのカラーシャンプーは鮮やかな紫色をしていますが、髪の毛を紫色にはしないですし、風呂場や手が染まって落ちないということも無いと思います。下にムラシャンに含まれる色素の化学構造を載せました。OHがたくさんついていますが、このOHがあると水によく溶けるようになります。そのため手についても水で流せば落とせます。

ヘアカラー染料

ムラシャンで髪の黄ばみが抑えられるのは紫色が黄色の「補色」になっていて、補色が混ざると彩度が落ちて(お互いの色を失わせる?)黄色が目立たなくなるからです。カラーシャンプーを使用することによって、髪に紫色が浸透して黄色を目立たなくさせることができるんですね。色的には灰色が入る感じになるようです。

カラーシャンプーではロイドのカラーシャンプーがアマゾンのランキングで1位になっています。評価も良いのでおすすめです。

髪を傷めないで染める方法

髪をなるべく傷めたくない場合は顔料系のカラー剤を使用します。髪に化学変化を起こすことなく染めるので頭皮や毛髪にダメージを与えずに染められます。
逆に髪が痛みやすいのは酸化タイプのカラー剤です。酸化タイプには過酸化水素などが入っています。過酸化水素は髪に浸透してメラニン色素を破壊して脱色するブリーチ剤です。このタイプは髪に化学反応を起こしているタイプなので髪が痛みやすいです。

天然染色成分のヘナは

ヘナの色素成分

のような化学構造をしています。天然成分だからといって安全かというと、様々な成分を含むために接触皮膚炎を起こす例があるために体質によっては合わないことがあります。

日華化学が開発した新しい染料タイプの「グロス染料」は髪染めで問題となる3要素、過酸化水素、ジアミン、アルカリの3つを使用しない「Le POLISSAGE」を開発しました。

過酸化水素は髪をブリーチする成分で髪を傷める原因となる物質で、アルカリも同様です。フェニレンジアミンなどのジアミンはアレルギーを起こしやすい物質です。これらの3要素をフリーにした新しいヘアカラー剤です。

市販されておらず美容師専用です。使用したい場合は美容院などで施術してもらう必要があります。場所としては、東京では
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があります。2018年に開発されたばかりのものなので今後の評判などによって全国に広がっていくかもしれませんね。

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