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ガスクロマトグラフィーで化合物を分離・同定する手順

ガスクロで化合物分離同定の手順

ガスクロマトグラフィーで混合物を分離・同定の手順の進め方について紹介していきます。

本当にGC分析が良いの?

ガスクロマトグラフィーは高感度で分析時間も短くて有用ですが、分離精製するなら分取のこと、汎用性のことを考えると液クロ(HPLC)など他の精製方法のほうが有用な場合があります。

そこでまず、自分が実施したい研究の目的を明確にしてから、方法としてガスクロマトグラフィーが最適なのか?どのように分析を進めていくべきかを考えましょう。

ガスクロマトグラフィーで分析するまでの手順

1.ガスクロマトグラフィーかHPLCか?

高分子量・高沸点の場合、大きめのスケールで単離精製が目的の場合は、HPLCのほうが適している可能性があります。混合物が多量成分で分解能が求められる時などはガスクロマトグラフィーが良いかもしれません。高極性で高沸点の場合は誘導体化を行います。

2.サンプルの前処理

サンプル中に不揮発性の無機塩や反応性の高い酸・塩基がある場合、は除去します。極性官能基が多い場合は誘導体化します。

3.カラム・検出器の選択と機械の準備

カラムの選択はサンプルの量や極性、混合物組成によって変化しますが、分析目的であればキャピラリーカラムを選択します。

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機械の確認、ガスは十分量あるか漏れはないか?セプタムの劣化は?など測定できる状態に準備する。

適した検出器といのも考えておく必要があります。検出器が特定のものしかない場合は、場合によっては誘導体化が必要なこともあります。

カラムに合わせて流速、温度などを設定しておきます。

4.インジェクト・検出

インジェクトして分離を開始して検出を行います。


分析化合物一覧

分析化合物使用カラムや固定相
H2,O2,N2,CH4,COモレキュラーシーブ
空気、CO、CH4、CO2,C2H2、C2H4,C2H6活性炭
CO2、H2O、COS,SO2、H2SボラパックQ
低級パラフィン/オレフィンジエチレングリコール+硝酸銀
脂肪族/芳香族炭化水素PEG、DEGS
~中沸点炭化水素類スクワラン、DC-550、DIDP
高沸点炭化水素Apiezon L、SE-30、PEG 20M
低級アルコールボラパックQ、TenaxGC、PEG
有機化合物全般DIDP、SE-30、XE-60、PEG
低級脂肪酸FFAP,PEG 20M、テレフタル酸
第一級・第二級アミンボラパックQ、TenaxGC、PEG+KOH
脂肪酸アミドTenax GC、PEG
フェノールSE-30、Tenax GC

基本的には分析したい試料や化合物をもとに企業のアプリケーションノートやカタログ、論文を参考にカラムや固定相、条件を決定しましょう。

化合物同定法

化合物の同定はガスクロマトグラフィーの目的の一つであることが多いです。上記の検出方法のほとんどは、化合物の保持時間と強度を知ることができますが、構造情報は乏しいです。

例えば選択的検出方法である窒素・リン検出器 (NPD)と汎用検出方法を組み合わせることで、構造中に含まれる原子情報は得ることができますが、化合物の構造などを同定するには情報不足です。

マススペクトルは分子量やフラグメント構造によって分子構造を推定することができるため汎用性が高く、有用です。

化合物同定に利用できる情報として

  1. 保持時間
  2. マススペクトル

があります。

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