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DMT-MMによるアミド エステルの合成

DMT-MMのアミド化

DMT-MMはトリアジン系のアミドの縮合剤です。他の縮合剤と比べた利点はアルコールや水溶液中で進行するところです。

この記事ではDMT-MMの特徴や利点について紹介します。

DMT-MMとは?

DMT-MM「4-(4,6-Dimethoxy-1,3,5-triazin-2-yl)-4-methylmorpholinium chloride 」はトリアジンとモルホリン構造を持つ縮合剤です。

 

DMT-MM

DMT-MMの構造式

DMT-MMの特徴

DMT-MMの最大の特徴はアルコールとアミン共存下でアミンの反応が優先することです。

アミンとの反応はアルコールとよりも2万倍速いと推定されています。

DMT-MMの利点をまとめると

  1. プロトン性溶媒を反応に使える(水・アルコール可能)脱水溶媒不要
  2. アルコールとアミンではアミンが優先的にカルボン酸と反応する(保護不要)
  3. 安定で取り扱い容易
  4. アレルギー性は少ない

があげられます。

欠点は

  1. アルコールとのエステル化は遅い
  2. ジクロロメタンは単独では溶媒として使えない
  3. アミンとの反応
  4. Nアシルアミノ酸はラセミ化しやすい
  5. 立体障害に弱い?

などが挙げられます。

プロトン性溶媒で安定&アミド化選択性が高い利点

アルコールや水が利用可能というのは他の縮合剤と比べた大きなアドバンテージです。

通常アミド化は脱水反応であること、試薬や中間体が水に不安定であることからも脱水溶媒を利用することが多いです。この点DMT-MMは水やアルコール中で反応させることができるので、脱水溶媒が不要である点は大きなメリットです。原料の乾燥にも気を使う必要はありません。

原料の適応性も高く、水酸基を多く含む糖類などのポリアルコール類が原料であるとき、アルコールを保護しなくてもよいです。また、アミン類は高極性であることが多く、有機溶媒に溶けないものがありますが、DMT-MMは高沸点の高極性溶媒(DMSO等)を使用しなくてもメタノールや水を溶媒とできるのは大きなメリットです。

 

安定性

固体状態で室温で1か月間、冷蔵庫で少なくとも数か月間は分解されることなく安定に保存できますが、一方でいくつかの溶媒では脱メチル化が進行して分解するようです。

DMT-MMの溶媒分解

DMT-MMの溶媒分解

不安定な溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、DMSOです。よく使われるDMFは情報がありません。THFやエーテル、メタノールが溶媒としては良いようです。

DMT-MMのアミド化反応

アミド化はカルボン酸とアミンを混合させてDMT-MMを加えるだけで進行します。反応溶媒はTHFをはじめ、メタノール、水/

アミド化反応例1

Pedersen, John PCT Int. Appl., 2012119941, 13 Sep 2012

ジクロロメタン(20 mL)中のアミン(0.37 g、1.0mmol)の溶液を、カルボン酸(0.36 g、1.0mmol)DMT-MM(0.53 g、1.9 mmol)のジクロロメタン(30 mL)溶液に0°Cで加えて室温に戻しながら一晩撹拌した。水/ジクロロメタンの混合物(100 mL / 100 mL)を加えて反応を停止させ分液、カラムにより目的物を80%の収率で得た。

わりと傘高いカルボン酸とアミンでも反応が進行します

アミド化反応例2
DMT-MMのアミド化例2

Suda, Yoshimitsu et al PCT Int. Appl., 2009125597, 15 Oct 2009

  カルボン酸 (300 mg) DMT-MM (329 mg) (S)-2-aminobutan-1-ol (113 μL)をTHF溶媒下室温で2h攪拌し、後処理して目的物を得た(297 mg, yield: 81%)。

アミド化反応はアルコールに優先して反応します。芳香族アミンも反応性が低いので、脂肪族アミンとカルボン酸が選択的に反応しています。

N-選択的アセチル保護

アセチル基はアミンの保護基として良く利用されますが、無水酢酸や塩化アセチルを使うことなく、塩で保護できるのは理想的です。

酢酸ナトリウムとフェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を混合することによりN-アセチル体が30minで得られています。

DMT-MMによるアセチル化

DMT-MMによる選択的アセチル化 from Tetrahedron 57.8 (2001): 1551-1558.

溶媒はアルコールを用いることができます。分子内にアルコールがあってもアミン選択的に保護できます。

DMT-MMのエステル化反応

DMT-MMはエステル化も進行します。エステル化には第三級アミンと脱水した基質アルコールを加えて反応させます。電子吸引基がついた芳香族カルボン酸はエステル化が進行しにくいようです。

DMM-TMのエステル化例1

Kunishima, Munetaka et al Synlett, (8), 1255-1256; 1999

カルボン酸体(0.20mmol)とDMTMM(0.40mmol)の1 mLベンジルアルコール溶液(dry MS)に窒素下、室温でNメチルモルホリン(0.24mmol)を加えた。 1.5時間撹拌した後、後処理を行い目的物を89%で得た。

反応機構

DMT-MMの反応機構

DMT-MMのアミド化の反応機構

アミド合成のまとめ アミドの合成方法まとめ!ペプチド結合は安定性の高いアミド結合!

参考文献

1) Kunishima, Munetaka, et al. “Formation of carboxamides by direct condensation of carboxylic acids and amines in alcohols using a new alcohol-and water-soluble condensing agent: DMT-MM.” Tetrahedron 57.8 (2001): 1551-1558.

2) Kunishima, Munetaka, et al. “4-(4, 6-dimethoxy-1, 3, 5-triazin-2-yl)-4-methyl-morpholinium chloride: an efficient condensing agent leading to the formation of amides and esters.” Tetrahedron 55.46 (1999): 13159-13170.

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