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自作マイクロプレートリーダーの登場!

マイクロプレートリーダーとは?

吸光度や蛍光測定は化学、生物学において必須の測定手法です。一度に大量のサンプルを処理できるマイクロプレートリーダーはスループット性が高く、効率的な測定が可能となります。
どんな使用目的があるかというと

使用目的を挙げれば次のようなものがある。

色素、蛍光物質などの定量
タンパク質、核酸などの定量(吸光)
ATPの定量(化学発光)
ELISA(吸光による発色の測定)
細胞の増殖・生存率(吸光あるいは蛍光)
ブラウン運動の程度(蛍光偏光)
タンパク質等の分子間相互作用(蛍光または蛍光偏光)
酵素活性(発色基質など)
医薬品などのハイスループットスクリーニング(上記各方法を応用)

マイクロプレートリーダー” wikipedia 日本語版より引用

このようにマイクロプレートリーダーは医薬品開発から検査まで様々な場面で利用されている機器です。
そんな便利なマイクロプレートリーダーも弱点があります。それは「高いこと
「マイクロプレートリーダーがもっと手軽な値段だったらいいな」と思っていたところbiochemistry、ASAPからこんな論文が投稿されました。
その名も ”An Open-Source Plate Reader“ です。プレートリーダーがDIYで気軽に作れちゃう時代になったわけですね!

[blogcard url=”https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.biochem.8b00952”]


本当にマイクロプレートリーダーなんて作れるの?

pHメーターや吸光度測定器、中にはNMRも自作をしてしまう人も世界にはいるので不可能ではないでしょう。しかし、一般人にも作れなければ意味がありません。誰でも作れるからこそ意味があります。

まずは価格ですが、Total $3500未満。なんとまあ安いですね新品でこの価格なら、普通は2倍以上はしますから。どのくらいの性能があるかはわかりませんが。部品を値切ればもっと安くできますね。

スペックですが

・全可視光領域の吸光蛍光スペクトル測定
・in situ optogenetic stimulation
・タッチスクリーン&自動化測定プログラム構築可能
・外部モジュール用通信ポート付きで拡張性・カスタマイズ製抜群
10 nMの濃度の蛍光測定可能

メインのシステムはRaspberry Piを使って動かすようです。Raspberry Piから Arudino unoに命令を送信して、AruduinoがLED、モーターなどを動かしていくスタイルです。raspberry piをコンピュータとして採用している点がgoodですね。低価格ですし、なによりもDIY感が増しますね。プラス、LEDやモーター制御が得意なマイコンArudinoのタッグですね。プログラムもpythonを採用しているので初心者にも作りやすいように考慮されています。これは本当に作れそうな気がしてきます。

実際の測定は?

論文のサイトには各パーツリストやCADデータなどが揃っています。それを見ながら作ればできそう?です。

パーツリストを見てみると最も高いのはocean-opticsのSTS-VIS 分光器 $1000です。これは350-800nmの波長を処理できるようです。分光器は買うんかいって思いますが流石にこの当たりまでDIYでやるのは精度的な限界がありそうですね。

あと100ドルを超えるのは

次にリニアアクチュエーター(縦に動くアクチュエーター)L16-P x2 $160

ファイバーコリメーター(光線を揃える装置) x1 $150

リング作動アイリス(カメラの絞り) x1 $103

となっています。

部品のいくつかはレーザーカットや3Dプリンタで出力する必要があります。ここは借りるかこれを気に3Dプリンタを買うかですね

実験結果

実際に作ったマイクロプレートリーダーを使って、フルオレセイン、5-TAMRA、SR 101、Nile Blueといった一般的な色素を使って測定しています。limit of detectionは10 nMくらいだと報告されています。

他にもクオラムセンシングを利用したレポーター遺伝子アッセイ(リガンド誘導発現ーGFPの蛍光を測定)

オプトジェネティクスを利用した測定などをやっています。どれも自作のプレートリーダーで測定したような実験結果に見えません。実際のところはあまり詳しくないのでよくわかりませんが。

でもやっぱり、こういうのって作成者の腕が測定結果に影響しそうな気もしますし、実験の測定器具は信頼性が最も大事なので、論文投稿等のデータとしては使えませんよね。論文にはどう書くんでしょうか?蛍光測定器具は「俺が作ったやつ」って書くんでしょうか?

用途は個人もちのプレートリーダーで予備試験用とか家庭用でうしょうか?

夏休みの自由研究とかで使ったらすごい実験できそうですね。作るだけで夏が終わりそうですけど

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