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デザイナーフーズ計画とは?

デザイナーフーズ計画

デザイナーフーズ計画とは?中止された?

デザイナーフーズ計画は、1990年代に米国国立がん研究所(NCI)で「果物、野菜などに含まれるがん予防に有効な天然の化学物質で強化された食品を作る」ことを目的として2000万ドルの予算規模で発足されたプロジェクトです。

ガンは未だに多くの人の命を奪う病気であるため、予防や治療法を模索するため研究は盛んに行われています。興味深いことに、日本人」と「アメリカ人」との間では発症しやすいがんの種類が違います。例えば、「胃がん」は日本人に多く、「大腸がん」はアメリカ人に多いがんです。

人種によってかかりやすいがんがあるということなの?

しかし、実際は人種というよりも、食べ物の違いによるものではないか?と考えられました。例えば、日系ハワイ人の胃がん罹患率は日本人ほど高くない結果が得られています。

そこで、研究者たちは、「食生活、食事内容によってがんになりやすくなる」のなら逆に「がんになりにくくなる食生活や食事内容があるのでは?」そしてそれは食物に含まれた微量成分によって引き起こされているのではないのか?と推測しました。こうした背景のもと米国である計画が行われました。それが「デザイナーフーズ計画」です。

毒物学者ハーバート・ピアソン博士(Herbert Pierson, Ph.D)の主導で開始されたプロジェクトは、ガンに関連する成分を見つけ出し、さらにそれを配合・強化した食材を作り出すというあまりにも壮大なプロジェクトだったため、現在は予算が尽きて終了していますが、ガン予防に有効性が高いと思われる食物を見つけだすことには成功しています

デザイナーフーズ計画で選別された食品とは?にんにくが最も効果が高い?

デザイナーフード計画でリストされた食品として最も効果が高いとされたのは「にんにくでした。にんにくのがん予防効果については多くの研究結果により示唆されています。多くのガンのケースコントロールスタディの結果より、にんにくは消化器系がんに対してがん予防効果がはっきりと認められました。ジアリルトリスルフィド(DATS)が強い抗ガン活性があることがArigaらのグループが報告しています。

にんにくに含まれるジアリルトリスルフィド(DATS)のがん予防効果

ジアリルトリスルフィドはβチューブリンの酸化的修飾により紡錘体形成を阻害することによってG2/Mアレストを引き起こすことによって抗ガン活性を示すようですが、DATSは非常に不安定で消化吸収の過程で壊れてしまいます。そのため、消化器系のガンでは有効性が高い結果が得られていたようです。

参考)Hosono, Takashi, et al. “Diallyl trisulfide suppresses the proliferation and induces apoptosis of human colon cancer cells through oxidative modification of β-tubulin.” Journal of Biological Chemistry 280.50 (2005): 41487-41493.

米国科学アカデミーは、ガンのおよそ35%が食事に関連していると推定しています。

他の公表された食品群のリストでは、

非常に重要 にんにく、大豆、キャベツ、甘草、生姜、セリ科(人参、セロリ等)
重要 玉ねぎ、お茶、ウコン、玄米、全粒小麦、亜麻、柑橘類、ナス科(トマト、ピーマン、ナス)、アブラナ科(ブロッコリー等)
やや重要 マスクメロン、バジル、タラゴン、カラスムギ、ハッカ、オレガノ、きゅうり、タイム、あさつき、ローズマリー、セージ、じゃがいも、大麦、ベリー類

もちろん〇〇を食べればがんが予防できるとか、食事だけでがんが予防できるわけではありませんが、良し悪しを知っているだけでも日常のちょっとした部分で気をつけることができます。特に非常に重要にリストされている食品のうち、にんにく、大豆、キャベツ、生姜、人参は食事で取りやすい食べ物なので意識してとるようにすると良いかもがん予防に役立つかもしれませんね!

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております