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ダフ反応 芳香環のホルミル化反応

ダフ反応で芳香環のホルミル化反応

ダフ反応は芳香環のホルミル化反応の一つです。

ヘキサメチレンテトラミンと酸触媒のもと行います。

基質である芳香環はフェノールやアミンなどの電子豊富なもので起こります。

ダフ反応とは?

ダフ反応はフェノールやアニリンなどの電子豊富な芳香環を中心としたヘキサメチレンテトラミンを使ったホルミル化反応です。反応は酸触媒下で行います。

ダフ反応の概要 from wikipedia public domain

酸としては、酢酸、塩酸、トリフルオロ酢酸などが使われます。

ダフ反応の特徴

ダフ反応はの特徴や利点は

  1. 操作が簡便
  2. 酸性条件で進行
  3. フェノールのオルト位選択的

欠点

  1. 比較的高温条件
  2. 電子リッチな芳香環でないと収率が低い

などが挙げられます。

芳香族求電子置換反応を基盤とした芳香環のホルミル化反応では基本的にアルキルベンゼンなどはホルミル化しにくいですが、ダフ反応ではトリフルオロ酢酸を酸として利用することによってホルミル化可能である場合があります。

必ずしもトリフルオロ酢酸のほうが良いというわけでも無いようです。酢酸のほうが良い場合もあります

Masurier, Nicolas, et al. “New opportunities with the Duff reaction.” The Journal of organic chemistry 73.15 (2008): 5989-5992.

いくつかの化合物ではTMSClを加えると収率が向上するという報告があります3)

ダフ反応の反応機構

ダフ反応は酸によってヘキサメチレンテトラミンがプロトン化することによって分解して生成するイミニウムカチオンを求電子剤として芳香族求電子置換反応が進行します。

その後順次ヘキサメチレンテトラミンが分解していきますが、最終的にはイミンの加水分解によりアルデヒドが生成します。

ダフ反応の反応機構 by Dlocalized at the English language Wikipedia [CC BY-SA 3.0 ]

反応例1 ニトロフェノールのホルミル化

ダフ反応の例1

Tannouri, Pamela et al Chemistry of Materials, 26(15), 4330-4333; 2014

トリフルオロ酢酸(22 mL)、4-ニトロフェノール(3 g、21.56ミリモル)の攪拌溶液にヘキサメチレンテトラミン(3.32 g、23.72ミリモル)を加えて(急熱)、窒素雰囲気下で18時間加熱還流した。反応後、3M HCl(50mL)を加えて2時間撹拌した。混合物をCH2Cl2(3×50 mL)で抽出し、クルードをカラム精製して目的物を50%で得た。

ニトロ基のような電子求引基があってもホルミル化が進行します。

参考

  1. wikipedeia  “ダフ反応”
  2. Ogata, Y., A. Kawasaki, and F. Sugiura. “Kinetics and mechanism of the Duff reaction.” Tetrahedron 24.14 (1968): 5001-5010.
  3. Lindler, Carson B.. (January 2014). The Duff Reaction: Researching A Modification (Undergraduate Thesis, East Carolina University). Retrieved from the Scholarship. (http://hdl.handle.net/10342/4463.)

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