化学メッセンジャーとは?細胞同士のコミュニケーションツール

化学メッセンジャーとは?

人間たくさんの細胞からできている多細胞生物です。

肝臓や肺、心臓など様々な臓器がありますが、各臓器もたくさんの細胞が集まってできています。

一つ一つの細胞がうまく連携して仕事をするためには、コミュニケーションツールが必要でうs。

細胞には言語はありませんが、その代わりに使っているものの一つが「化学メッセンジャー」です。

化学物質を使って細胞同士は情報伝達をしているのです。ドーパミンなどの神経伝達物質、糖質コルチコイドやエストロゲンなどのホルモン、バソプレシンなどのペプチドホルモンなどが化学メッセンジャーです。

今回は化学メッセンジャーの種類や役割などを紹介していきます。

化学メッセンジャーとは?

仕事でもスポーツでも複数の人と協力してチームワークをするには互いに連携する必要があります。

それは人間の体でも同じです。ヒトは何十兆もの細胞からなる多細胞生物です。しかも、それぞれの細胞は好き勝手やっているのではなく、互いにうまく連携しています。その役割を担うものが「化学メッセンジャー」です。

特定の化学物質が作用することによって細胞を統制しています。

化学メッセンジャーは「ホルモン」と「神経伝達物質」に二分されます。

ホルモンは内分泌系により分泌されて血液中を巡ります。神経伝達物質は神経細胞により分泌され、近傍の細胞に情報を伝達します。

分泌された化学メッセンジャーは受容体と呼ばれる部分で受け取られます。

受容体とは?簡単にわかりやすく種類や働きを解説します。

1種類の受容体がすべての化学メッセンジャーを受け取るわけではなく、受容体が担当する化学メッセンジャーはそれぞれ異なります。

こめやん

副腎皮質ステロイドホルモンの一種であるコルチゾールはミネラルコルチコイド受容体に結合しますが、同じステロイドホルモンの一種であるテストステロンが結合するアンドロゲン受容体には作用しません

ホルモンとは?

私たちの体が生きているのは、それぞれの細胞の機能が調整されて絶妙なバランスを保っているからです。

このように内部環境を一定に保ち続けようとする性質を恒常性(ホメオスタシス)といいます。体の恒常性を保つためには細胞の働きを調整するために命令が必要です。その役割を担っているのがホルモンです。ホルモンは脳からの命令等によって内分泌組織から分泌されて血流にのって全身の細胞に運ばれて標的の細胞に命令を伝えます。

ホルモンは内分泌組織で作られます。代表的な内分泌組織は視床下部や下垂体、副腎です。分泌されたホルモンは分泌組織周辺に留まらずに血流にのって体全身に運ばれます。同じ化学メッセンジャーである神経伝達物質は基本的に分泌された周辺細胞だけに作用する点で異なります。

ホルモンの特徴は

  1. ホルモン自体が化学反応を起こすわけではない(細胞のスイッチを入れるリモコンのようなもの)
  2. 広範囲の遠く離れた細胞にも作用する
  3. 分泌されてから作用するまで時間がかかる
  4. 作用は長く続く
  5. 極めて低濃度(ナノモルからピコモル)で作用する
  6. 特定の標的(受容体)に特異的に結合する
  7. 転写やたんぱく質合成など細胞の生化学的活動を制御する

です。

内分泌組織

ホルモンを分泌する内分泌線は脳(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺、副腎、すい臓、精巣、卵巣があります。それぞれの内分泌組織の特徴や分泌物質について以下ざっと紹介していきます。

視床下部

視床下部は内分泌を統括・調整する中枢組織です。

様々なホルモンの分泌を調整しているため視床下部は恒常性の維持に最も重要な組織です!

視床下部が分泌するホルモンは下垂体のホルモン分泌を調整します。

こめやん

脳下垂体は様々なホルモンを分泌する器官です!

視床下部が分泌するホルモンとしては

  1. オキシトシン
  2. 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)
  3. バゾプレッシン
  4. 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
  5. 成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
  6. 成長ホルモン抑制ホルモン(GIH)
  7. プロラクチン放出因子(PRF)
  8. プロラクチン抑制因子(PIF)
  9. 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
  10. ソマトスタチン(SS)

ホルモンの分泌に大きく関わっているのが、視床下部-下垂体-副腎系(Hypothalamic-Pituitary-Adrenal axis : HPA軸)です。

視床下部はホルモン分泌の最も上位に存在する命令系統です。視床下部が分泌するホルモンの多くは、下垂体に作用してホルモン分泌を調整します。下垂体は様々な重要なホルモンを分泌する副腎の機能を調整します。

下垂体

脳下垂体は視床下部の下側にある垂れ下がったような形をした器官です。下垂体には下垂体前葉と下垂体後葉の2つの部分があり、それぞれが分泌するホルモンの種類が違います。

  • 下垂体前葉 ACTH (副腎皮質刺激ホルモン,adrenocorticotropic hormone) GH (成長ホルモン,growth hormone) PRL (プロラクチン,prolactin) TSH (甲状腺刺激ホルモン,thyroid stimulating hormone) LH (黄体形成ホルモン,luteinizing hormone) FSH (卵胞刺激ホルモン,follicle-stimulating hormone)
  • 下垂体中葉 MSH (メラニン細胞刺激ホルモン,melanocyte-stimulating hormone)
  • 下垂体後葉 OXT (オキシトシン,oxytocin) VP(=ADH) (バソプレッシンまたは抗利尿ホルモン,vasopressin)
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副腎

副腎は腎臓の上に乗っかるようにして存在している内分泌器官です。

副腎はホルモンを分泌する重要な器官です。

副腎には「副腎皮質」と「副腎髄質」の2つの構造に分かれています。両者が分泌するホルモンは別々です。

  • 副腎皮質:糖質コルチコイド、硬質コルチコイド、アンドロゲン
  • 副腎髄質:カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)

副腎のホルモン分泌は視床下部や下垂体によって制御をうけます。

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