世の中いろんなベリーがありますが、ビルベリーはご存知でしょうか?
ビルベリーはポリフェノールをたくさん含む健康に良い食品です。
今回はそんなビルベリーの効果・効能について紹介します。
北欧原産のビルベリーはブルーベリーの仲間
ビルベリーはスノキ属で、ブルーベリーと同じ属です。見た目もブルーベリーそっくりで見分けがつかないです。
上(左)がブルーベリーで下(右)がビルベリーです。
ビルベリーの果実は、ブルーベリーよりも小さくて、色素はより暗くて濃いです。
果肉もブルーベリーはぶどうのように緑っぽいですが、ビルベリーは赤紫いろの果肉をしてるのが特徴です。
原産国は北欧の国が中心です。フィンランド、ノルウェー、アイルランド、ウクライナ、ポーランド、ルーマニアなどです。
ビルベリーの栽培は難しいらしいです。
ビルベリーの栄養成分
ビルベリーはポリフェノール類のアントシアニンを最も含む食品と言われています。(300-600 mg / 100g)
他にアントシアニンを含む食品は、ブルーベリー、カシスなどです。
アントシアニンは総称で、ビルベリーに含まれるアントシアニンは、シアニジン、デルフィニジンが主で、マルビジン、ペオニジン、ペチュニジンの6種類のアントシアニンが含まれています。
中でもシアニジンが最も抗酸化作用が強いと言われています。
アントシアニンの効能
アントシアニンの効果・効能としては、
抗炎症、血管新生、抗がん作用
Zafra-Stone S, Yasmin T, Bagchi M, et al. Berry anthocyanins asnovel antioxidants in human health and disease prevention. MolNutr Food Res 2007; 51(6): 675–683.
アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患に関わるアミロイドの沈着や変性を阻害することが示唆されています。
Iwasa H, Kameda H, Fukui N, et al. Bilberry anthocyanins neutralize the cytotoxicity of co-chaperonin GroES fibrillation intermediates. Biochemistry 2013; 52(51): 9202–9211.
Nakaishi H, Matsumoto H, Tominaga S, et al. Effects of black current anthocyanoside intake on dark adaptation and VDT work-induced transient refractive alteration in healthy humans. Altern Med Rev 2000; 5(6): 553–562.
小齊平麻里衣,影山将克,蒲原聖司,北市伸義. 標準ビルベリーエキス含有食品摂取による眼疲労抑制効果―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験―. 薬理と治療, 43, 12, 1741-49 (2015)
価格の安いビルベリー製品には注意!
価格の安いビルベリー製品には合成着色料の赤色2号(アマランス)が意図的に混入されている可能性があります(市場価格の2/3など安く売られているもの)
Penman KG, Halstead CW, Matthias A, et al. Bilberry adulteration using the food dye amaranth. J Agric Food Chem 2006; 54(19): 7378–7382.
ビルベリーは栽培が難しく自生しているものから収穫している事が多く、その供給量が限られています。市場価格よりも明らかに安い製品は、ビルベリーの濃い色素成分を模倣するために、意図的に合成着色料を加えて販売されているものがあるそうです。
さらに、色素以外の粗悪化も行われています。黒大豆の色素成分、近類ベリー類の色素などが加えられる。
中国産のビルベリーエキスとして販売されているものはアジアに生育する別種のクロマメノキのエキスであるなどの報告もあります。
まとめ
ビルベリーはアントシアニンを最も多く含む食品であり、アントシアニンの健康効果を得るには良い選択肢だとおもいます。しかしながら、ビルベリーは栽培が難しいという供給面で難がある一方で、ビルベリーの健康効果が着目され、米国を中心に非常に人気が出ているせいで、市場には粗悪な製品がはびこっています。ビルベリーに特別な成分というのは見た限りはなさそうなので、アントシアニン接種が目的で、サプリメントなどで摂取しようと考えているひとはブルーベリーなど供給が安定しているもので摂取したほうが安全で、効果も期待できるのではないかと思います。
アントシアニンの健康効果については、ビルベリー以外の食品を用いてたくさんの研究がされています。人における有効性の調査はたくさん行われていますが、その作用機序がどうなっているか?という研究については不明な点が多く、十分な研究はなされていないという印象です。人の試験で有意な結果がでたものに関しては今後、その作用機序を含めた詳細な研究がなされると思います。
と入っても抗酸化作用など摂取して悪いことはないので、医薬品ではなく、健康食品として、効果・効能があるか、自身で試してみるのはいいと思います。
効果は人それぞれですので。