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マンガン酸バリウム酸化ーBaMnO4

BaMnO4酸化

[box03 title=”BaMnO4酸化の特徴”]
二酸化マンガンよりも強い酸化力
MnO2では遅いαβ不飽和ケトンの合成に!
反応・後処理が楽
[/box03]

BaMnO4酸化とは?

BaMnO4酸化は二酸化マンガンと同様の反応性を有する酸化剤で主にアリルアルコールを酸化してαβ不飽和アルデヒド・ケトンを得るのに用いられる試薬です。特に二酸化マンガンでは反応が進行しにくい第二級不飽和アルコールの酸化も進行しやすい点が特徴です。不均一系(溶媒に溶けない)で反応が進行するため後処理はセライトやシリカゲルでろ過するだけです。欠点は、

  • 試薬が大過剰必要である点(3-20eq)

です。

利点としては、

  • αβ不飽和ケトンの合成に有用
  • シンプルで後処理も楽



条件・操作手順

・反応条件

原料のアルコールを溶かしたジクロロメタン中にマンガン酸バリウム(3-20eq)を加えて室温で数時間撹拌します。TLCで反応チェック(アルデヒドはDNP発色試薬でチェック)反応後、ろ過(セライトとか)してよく洗浄し、濃縮後、精製します。

BaMnO4酸化の例ref) Kwan, S. K, tetrahedron lett.,1989, 39, 2559.

BaMnO4反応例

ref) Shuto, S., et al. Org. Chem., 1998, 63, 4489.

ヌクレオシド合成にも使われる。上記の反応はPDC、TPAP、Moffatt、swernのいずれも進行しなかった。

  1. 溶媒

ジクロロメタンを主に使います。他にベンゼン、ジオキサン、クロロホルムなども使用可能です。

  • 危険性

二酸化マンガンと同等?

官能基許容性

調査中です。

反応選択性

二級と一級アリルアルコールが存在している際に相関移動触媒を使用すると、二級アルコールを選択的に酸化することが報告されています。

ポリアセチレン(ポリエン)構造を含むアルコール(11-cis-retinol)の酸化で異性化を伴うことなく酸化する方法としてマンガン酸バリウムを使用している例がある?(“Retinal obtaining by retinol oxidation with BaMnO4”)

参考・文献・小技

過マンガン酸イオン(MnO42-)はよく利用される酸化剤である一方で、マンガン酸イオン(MnO4-)は酸化力が弱く、さらに有機溶媒への溶解性が低いという問題と酸ー中性水溶液中で不安定であるという欠点があります。溶解性の問題は相間移動触媒(BnTriEtN+)の添加によって改善できます。Kim, K. S.,et al. Tetrahedron Lett., 1989, 30, 2559

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