アスパルテームは代表的な甘味料の一つです。
最近の飲料や食料にはダイエット、ゼロ、などの表記が無くても甘味料として使われていることもあります。
天然に存在してない甘味料が安全かどうか?については昔から議論されています。
世界中で認可されている甘味料で安全とされていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
長期毒性や摂取量などについて論文の情報などから考察していきます。
アスパルテームとは?
アスパルテームは人口甘味料でショ糖の100倍~200倍の甘味があるとされています。
この物質の構造を見てみると正体がわかってきます。
アスパルテームは2つのアミノ酸とメタノールからできています。2つのアミノ酸が脱水縮合でできたジペプチドです。
体の中には様々な機能を持ったジペプチドが存在しています。例えば、カルノシン、アンセリン、キョートルフィンなどがあります。
こめやん
アスパルテームの代謝・体内動態
アスパルテームは消化管から直接吸収されることはないので体内組織への蓄積はないと考えられています。
腸管内のエステラーゼ(エステル加水分解酵素)によってフェニルアラニンのメチルエステルが分解されてメタノールが生成します。その後ペプチダーゼ(ペプチド分解酵素)により分解されてフェニルアラニンとアスパラギン酸に分解されて腸管から吸収されて血液中に入ります。
アスパルテームの含有量について
ゼロコーラなどにはどのくらいの量のアスパルテームが含まれているのでしょうか?
商品名 | アスパルテーム量 | メタノール量 |
カルピスソーダゼロ | 8.9 mg / 100 mL | 1.0 mg /100 mL |
コカ・コーラゼロ | 70 mg / 100 mL | 7.6 mg / 100 mL |
アスパルテーム量は飲料によって入っている量が結構違います。
メタノールの毒性について
メタノールは毒性の高い物質として知られています。メタノールの毒性は代謝により生成するホルムアルデヒドやギ酸によるものです。
しかし、メタノールは自然に存在するものであり、野菜や果物にも含まれています。フルーツジュースには平均14 mg / 100 mL含まれているといわれています。
現状では通常の食事などから摂取されるメタノールによる健康被害は心配しなくてもよいと考えられています。
参考 Center For The Evaluation Of Risks To Human Reproduction取得できませんでした
こめやん
腸内細菌叢に与える影響 ラットの研究
ラットのモデルにおいては、体重、インシュリンレベル、などを低下が観察されました。アスパルテームの摂取により一部の腸内細菌の増加などが観察され、アスパルテームやその分解物が腸内細菌叢に影響を与える可能性があることが示唆されています。
1)Palmnäs, Marie SA, et al. “Low-dose aspartame consumption differentially affects gut microbiota-host metabolic interactions in the diet-induced obese rat.” PloS one 9.10 (2014).
アスパルテームの安全性に関する研究
Butchko, Harriett H., et al. “Aspartame: review of safety.” Regulatory Toxicology and Pharmacology 35.2 (2002): S1-S93.
Choudhary, Arbind Kumar, and Etheresia Pretorius. “Revisiting the safety of aspartame.” Nutrition reviews 75.9 (2017): 718-730.