原子と元素の違いを説明できますか?
分かっていそうで意外ときちんと理解している人は少ないかもしれません。
この記事では化学の基本である元素と原子について解説していきます。
どんな人にオススメ?
- 化学を基礎から理解したい人
- 化学を学びたい中高校生〜一般の方まで
- 元素と原子の違いを知りたい
- 原子が何でできているか興味がある
目次
原子とは?元素とは?
皆さんの身の回りのものは全て元素からできています。
例えば、水道水の「水」をできるだけ細かく細かくバラバラにしていきます。すると特定のまとまりを持ったブロックになります。これを分子と言います。H2Oですね。さらにこのH2Oをさらに細かく分解します。するともうこれ以上は分けられないという小さな粒子まで分解します。この粒子を原子と呼びます。HやOが原子です。
そうなると一体原子と元素は何が違うのか?混乱してくかもしれません。原子と元素の違いを知るにはもう少し細かい粒子の話を理解する必要があります。
同じ元素でも中性子の数が違うものがある
実は原子はさらに細かい粒子からできています。それが電子と陽子と中性子です。
水素は原子番号1番で中性子なしで、電子1個、陽子1個からなります。一方で炭素は原子番号6番で陽子6個、中性子6個、電子6個からできています。
つまり原子は電子、中性子、陽子の3つの粒子からできています。
陽子の数で元素が決まる
ではどの原子が水素なのか?炭素なのかを決めているのでしょうか?
それは「陽子の数」です。
陽子が1つなら電子の数や中性子の数が何個であろうが水素という元素なのです。
電子や中性子は数が増減します。が、陽子の数でその元素の種類は決まります。
例えば、水素が電子を失って陽子だけになった原子もプラスイオンになるだけで、同じ水素元素です。中性子が1つ増えた水素原子も同じです。名前は重水素と呼ばれたりしますが、これも水素です。
ちなみに中性子数の違う同じ元素の原子は「同位体」と呼ばれています。
原子番号は陽子の数
原子番号も陽子の数です。
有名な周期表は元素番号(陽子の数)で並べています。
なぜ陽子を中心に決めているのでしょうか?それは陽子が元素の根本的な性質を決めているからです。
だから陽子の数ごとに「元素」という名前をつけてあるのです。
陽子は元素としての性質を表すと言いましたが、化学反応の主役は電子です。電子の受け渡しや原子間でのシェアしたりすることで化学反応が起こります。この電子の挙動が陽子数(元素)によって変化します。
分子とは?
元素がひとつだけで存在していることは少ないです。なぜなら複数の元素と一緒にいる方が安定して存在できるからです。
複数の元素からなる物質を分子と言います。身の回りの物質の多くは分子です。水も分子です。
水はH2Oという記号で表せられます。これは水の化学式と呼ばれる表記の仕方です。
化学式からはその物質がどんな元素からできているかを知ることができます。
H2Oは 元素「H」が2個 と 元素「O」が1個でできていると書いてあります。
CO2(二酸化炭素)も「分子」で、「C」が1つ、「O」が2つという意味です。
覚えておくべき元素とは?
現在、元素は118種類ほどあると言われています。
しかし、実は身の回りの物質を作っている元素の大部分は数種類の元素しか含まれていません。
よく登場する元素、特に生き物の体の中に存在する元素としては、
「C」「N」「O」「H」であと「Cl」「Na」と「P」「S」くらいが少し出てくるくらいです。
つまり、こんなに少ない元素でもありとあらゆる物質を作ることができるということを意味しています。それは元素の組み合わせの仕方次第でさまざまな特性をもった物質を作ることができるということです。
ちなみに上で挙げた元素を主に取り扱う学問が有機化学です。
無機化学は上の元素に加えて、金属と呼ばれるもの、鉄、ニッケル、ニオブ、ガリウム、イットリウムなどほぼ全ての元素を取り扱います。
・物質を構成する一番小さなブロックが原子、それが集合すると分子ができる。
・H2OとかCO2はどんな元素の組み合わせかが書いてある。
・「H」、「O」のどちらも原子ですが、大きさが違う別の原子、つまり「元素」です。
[…] 前回の原子に引き続き今回は結合に関してやっていきたいとおもいます! […]