炭酸カルシウム CaCO3は石灰岩の主成分で身の回りにたくさん存在しています。貝殻やサンゴ、卵の殻なども炭酸カルシウムからできています。炭酸カルシウムは水に非常に溶けにくい特徴があります。
炭酸カルシウムとは?
炭酸カルシウムは白色の粉末で水への溶解度がとても低いです。チョークなども炭酸カルシウムからできています。
岩石中にはアラゴナイト、方解石などとして見られます。大理石も炭酸カルシウムからできています。
- 分子量 : 100.09
- 化学式: Ca(OH)2
- 融点 : 825℃
- 密度 : 2.711 (カルサイト)
- 溶解度 : 水への溶解度 (0.013 g/L 25℃)
炭酸カルシウムの化学反応
二酸化炭素の放出 (炭酸)
炭酸カルシウムは酸と反応すると二酸化炭素を放出します。
CaCO3 + 2H+ → Ca2+ + CO2 +H2O
加熱を行うと酸化カルシウム(生石灰)を生成します。
CaCO3 (heat) → CaO + CO2
炭酸カルシウムの利用例
炭酸カルシウムは建築材料としてよく利用されています。セメントは炭酸カルシウムが含まれ、漆喰も炭酸カルシウムが主成分です(反応前は水酸化カルシウムを利用する)。
学校でよく利用したチョークは炭酸カルシウムからできています。たまにチョークを食べる人がいますが、炭酸カルシウムのため少量食べても問題ありません。よくあるカルシウム補給のためのサプリメントにはこの炭酸カルシウム(サンゴや貝殻の粉末など)が含まれています。過剰なカルシウムの摂取は健康障害を引き起こすために気をつけましょう。
炭酸カルシウムと有機合成
アルケンの合成
ハロゲン化物と炭酸カルシウムを加えて加熱すると脱離反応を起こしてアルケンが生成します。α-ハロケトン類も同様に脱離してαβ不飽和ケトンを生成します。
ハロゲン化
NBS(N-ブロモスクシンイミド)やPCl5などのハロゲン化剤と共に炭酸カルシウムを触媒として加えてハロゲン化することがあります。