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ヒトにフェロモンはあるの?人間のフェロモンは退化してる?

「あの人はフェロモンがでている」などと聞いたことはありますか?

女性誌などでは「フェロモンが出ている女性の特徴!」などのタイトルでまるでヒトにフェロモンがあるかのような表現がされています。

みなさんはフェロモンの存在を感じたことがありますか?

今回は実際にヒトにフェロモンはあるのか?ということをとりあげていきます。

フェロモンとは?

まずフェロモンとは?ということですが、

フェロモン(pheromone)は、動物または微生物が体内で生成して体外に分泌後、同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促す生理活性物質のことである。 (フェロモンーwikipediaより引用)

つまり、動物にとってフェロモンとは体外に分泌した成分が他人の脳に直接影響を与えて、行動を変化させたり、ホルモンを分泌させたりするのです。


動物にとってフェロモンは?

実は人間は動物の中でも少数派です。

ヒトを除いて、ほとんどの動物はフェロモンに支配されています。

支配というと大げさですが、実際にフェロモンによって、生殖行動をとったり、行動が変化したりします。

昆虫の場合、メスが性フェロモンを分泌するとオスが実際に集まってきます。その物質を頼りに、それを分泌したメスにオスがわらわら集まってきます。

人間も異性のところに集まりがちですが、昆虫などとはレベルが違います。お店でフェロモンを出したらヒトが集まってくるので、商売繁盛しますね。

ヒトのフェロモン

ヒトのフェロモンについてはいろいろ議論されていて、いくつか研究報告があります。

1971年nature誌に投稿されたもので、女性の脇から月経周期を短縮したり延長したりする物質が分泌されているとので?ということで。このフェロモンは同性に作用して、長い時間同じ空間にいる女性同士の月経周期が同調することを発見したことから示唆されています。しかし、まだその物質については特定されておらず、また、その後の研究で有意な差が見られなかったという報告もあります。なのでこのフェロモンについては疑問が残ります。

他には恐怖を他人に知らせるフェロモンが存在すると言われています。恐怖、ストレスがかかると分泌する物質が他人に対しても作用するというものです。

アンドロステロイド

アンドロステロイドは哺乳類のフェロモンの候補として考えられている化合物群です。

アンドロステロイドの一種であるアンドロステノンは一番始めに哺乳類のフェロモンとして同定された物質です。雄豚は唾液中にアンドロステノンを含んでいて、生熟した雌豚がこれを嗅ぐと交尾姿勢をとることがわかっています。

雄豚のアンドロステノンはしばしば、食用豚肉の鼻をつくような不快臭の原因物質の一つになる。属に雄の豚臭と言われ、これを防ぐために食用豚は去勢される。

アンドロステロイドの一種であるアンドロステノールは、麝香のような匂いがする成分です。男性はこのアンドロステノールの匂いを不快と感じることがおおいそうですが、女性はこの匂いを好むようです。アンドロステノールを吹きかけた椅子とかけていない椅子では、吹きかけた椅子を選ぶ女性が多いという研究報告などがあります。

Pause,B.M. : Are androgen steroids acting as pheromonesin humans?,Physiol Behav,83,21-29,(2004)

またアンドロステノンは女性が排卵期をピークに匂いに対する感受性が上がるという報告があり、この時期に女性は男性に普段よりも魅力的に見えている可能性があります。

アンドロスタジエノンは男性の脇から女性の20倍量を分泌する物質で、男性ホルモンのプログネノロンの代謝物だと考えられています。この物質は男性にとっては不快ですが、女性にとってはポジティブな気分にさせることが報告されています。

Grammer,K., Fink,B. and Neave,N. : Human pheromonesand sexual attraction.Eur J Obstet Gynecol ReprodBiol,118,135‐142,(2005)

 


ヒトのフェロモンの存在を否定する理由

哺乳類の場合フェロモンを感知する部分は、おもに鋤鼻器官(じょびきかん:ヤコブソン器官とも)を介して副嗅覚系で行われています。この器官は動物の種類によって異なりますが、大体は鼻腔内や口蓋周辺にあります。

実はこの鋤鼻器官はヒトでは胎児期では存在していますが、大人になると痕跡程度で消失することから、フェロモンを感知する場所がないというのがフェロモンの存在を疑問視する理由です。

鋤鼻器官が存在しない場合はフェロモンをどこで完治しているか?ということが疑問点になります。ヒトでは鋤鼻器官が関与する副嗅覚系ではなく、主嗅覚系が関与していると見られています。つまり、ヒトでは、他の動物がフェロモンを完治している場所とは異なる部分で感知している可能性があるということです。

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