後知恵バイアスの例・自信のある人は注意が必要?

皆さんは最近、驚いたことはありますか?

絶対勝つと思っていたチームが負けたとか、

面白いと思っていた映画がつまらなかったとか、

当たらないと思っていた懸賞があたったとか

大人になるといろいろな経験をするので、ちょっとやそっとのことじゃ驚かなくなりますよね。なんでも大体想定の範囲内に収まっていると。

でも、それってただの思いこみかもしれません。「後知恵バイアス」に支配されているかもしれません。

後知恵バイアスマスターはたとえ宇宙人が攻めてきても、驚かないかもしれません。瞬時に宇宙人が攻めてくる現実も予測もしていた。そういう兆しがあったと考えて驚きを少なくさせるのです。

後悔が多い人、自分に自信がある人などもこのバイアスにかかりやすいかもしれません。

「やっぱりそうか」、「何かおかしいとおもってた」「そうなると思ってた」、「売っておくべきだった」「待つんじゃなかった」、「だから言ったでしょ」

という言葉をよく使う人は要注意です。

後知恵バイアスとは?

後知恵バイアスの読み方は「あとぢえばいあす」です。

後知恵バイアス(Hindsight Bias)とは

「物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向。後知恵バイアスは、政治・ゲーム・医療など様々な状況で見られる。」 wikipediaより引用

本当は何の予測もしていなかったのに、何か起こったことを事前から予測可能だったと思い込んでしまったことなどはありませんか?

こうした心理的な傾向は一般的にみられるものなので、「そんなことはない」と思っている人ほど危ないかもしれません。

後知恵バイアスの危険なところは記憶の書き換えを行って、自分は何でも分かっているという過剰な自信を生み出す点です。後知恵バイアスの問題点を例を交えて紹介していきます。

後知恵バイアス研究の変遷

1970年代に登場した後知恵バイアスですが、言葉こそ定義されていませんでしたが、医師が患者の症状の進行を予測可能であると自分自身を過大評価している点を指摘されるなど昔から至るところで後知恵バイアスに関する指摘が行われていました。

Fischhoff, Baruch. “An early history of hindsight research.” Social cognition 25.1 (2007): 10-13.
Baruch Fischhoffは後知恵バイアスを測定する方法を開発した心理学・社会学者です。
後知恵バイアスという言葉の始まりは1975年の以下の論文がもとになっているといわれています。
Miner, John B. Organizational behavior: Performance and productivity. New York: Random House, 1988.
後知恵バイアスはネガティブな結果をもたらす方が発生する可能性が高いようです。

後知恵バイアスの例

後知恵バイアスはいたるところで起こります。

  1. 政治
  2. 歴史認識問題
  3. カウンセリング
  4. 医療診断
  5. 人事評価

などがあげられます。

じゃんけんをするときに、

「私はいつもグーで勝つことが多いからグーを出した」

「負けてしまった」

やっぱり、さっきあなたがじゃんけんしてたときパーだしてたからまたパー出してくると思った

このとき私は、最初グーの勝率が高いと考えてグーを出しています。もちろん前のじゃんけんの結果も見ていますが、まったくそれを予測に加えていないもしくは考慮しなくていいと考えていました。それでグーで負けてしまった後に、あーやっぱりなんか負けそうな気がしてた、とかそのようにその結果を後から予測していたことだと考えてしまう これが「後知恵バイアス」です。

他にも、

高速道路が渋滞していて進まなそうだから、一般道に降りたけど、一般道も事故で道が封鎖されていて全く動けず、結局高速道路で言ったほうが早くついていた。

「高速道路を走っていればよかった」などというのも後知恵バイアスです。

馬券をAかBか悩みに悩んだ結果、Aがわずかに確率が高いと考えた。でも妻はBにしてくれとせがんでくる。あまりに必死だからBにしてみたが、結果はAが当たりだった。「そうか、やっぱりAだったか」というような展開なら予測もしていましたし、後知恵バイアスではないかもしれません。

大抵の日常の選択肢ではほとんど真剣に予測などしないでしょう。どっちかが良いと思って行動しているはずです。それに対して後から考えていたとか、予測できていたなどと考えてしまうのは「後知恵バイアス」でしょう。

結果を知った後から考えたらそれが必然にみえてしまうものです。

後知恵バイアスの問題点は?

後知恵バイアスは、自分の選択が好ましい結果を産まなかったときに起きる言い訳みたいなものです。失敗したことも予測できていたと考えることによって、自分の過失を中和し、尊厳を保つことができます。他人に対しての「後知恵バイアス」も同じように、予測できていたと考え、それを示すことで、自分の能力を誇示し、自信を保つことができます。

後知恵バイアスに支配されすぎると、自分の選択のミスについて、反省、復習し次に改善することができなくなるかもしれません。予測可能だったならなぜそちらの行動を取らなかったのか?など本質をみることができなくなるかもしれないです。

さまざまなことわざや迷信の中にも後知恵バイアスはみられます。

論文

1) Arkes, Hal R., et al. “Eliminating the hindsight bias.” Journal of applied psychology 73.2 (1988): 305.

2) Christensen-Szalanski, Jay JJ, and Cynthia Fobian Willham. “The hindsight bias: A meta-analysis.” Organizational behavior and human decision processes 48.1 (1991): 147-168.

3) Roese, Neal J., and Kathleen D. Vohs. “Hindsight bias.” Perspectives on psychological science 7.5 (2012): 411-426.

4) Hoffrage, Ulrich, Ralph Hertwig, and Gerd Gigerenzer. “Hindsight bias: A by-product of knowledge updating?.” Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 26.3 (2000): 566.

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