電子豊富なアルケン・アルキンは酸塩化物のような求電子剤に対して求電子付加反応を起こしてケトンを生成します。フリーデルクラフツ・アシル化と似ています。
アルケン・アルキンへの求電子付加で不飽和ケトンの合成
アルケンやアルキンは塩化アセチルのような求電子剤と求電子付加反応を起こして不飽和ケトンを合成します。
α位の水素はカルボニルの影響で抜けやすいため、αβ不飽和ケトンが生成しやすいです。
アルケンへの求電子付加反応で塩化アルミニウム、塩化スズ(II)などを使うと副生成物のクロライドが置換したハロケトンが生成します。ハロケトンは不安定なため分解して不飽和ケトンになりやすいです。
アルケンとカルボン酸やエステル、酸塩化物などが共存している場合、分子内で求電子付加反応が進行して環状不飽和ケトンが生成します。
アルケンは酸条件下では不安定で重合を起こしたりするので芳香族と比べてアシル化に利用することは少ないです。