アリールとアリール同士などホルミル基を有する分子構造を導入したいときにはカップリング反応が便利です。しかし、反応性の高いアルデヒドはしばしばカップリング反応を阻害します。
ここでは遷移金属触媒を使った触媒的カップリング反応のうちホルミル基存在下でも反応が進行するものについて紹介します。
ホルミル基存在下で反応可能なカップリング反応
鈴木宮浦カップリング反応
アリールハライドと有機ホウ素化合物の間で起こる鈴木宮浦カップリング反応は非常に有用な炭素-炭素結合形成反応です。何よりも原料がたくさん市販されているというのもポイントです。
芳香環が2つあるとホルミル化の制御が難しいですが、ホルミル基のアリールをカップリングすれば簡単です。
鈴木宮浦カップリング反応ではアリールハライドもしくはボロン酸誘導体にホルミル基が導入された状態でカップリングできます。
鈴木宮浦クロスカップリング反応 – 反応条件のための情報まとめ
薗頭カップリング反応
薗頭カップリング反応もホルミル基が存在していても進行します。
薗頭カップリング反応は末端アルキンとアリールハライドの間でおこるカップリング反応です。
薗頭カップリング: Sonogashira Coupling
芳香族アセチレン化合物を合成する一般的で強力な反応ですが、温和に進行するためアルデヒドが存在していても反応が進行します。
アルデヒドが存在していても収率が落ちたりすることはありません。
オレフィンメタセシス反応
グラブス触媒に代表されるオレフィンメタセシスも非常に温和な官能基許容性の高い反応です。
アルケン(オレフィン)メタセシス: Alkene (Olefin) Metathesis
こちらも原料にアルデヒドが存在していも問題なく反応が進行します。脂肪族や芳香族関係なく反応が進行し、αβ不飽和アルデヒドの合成にも使われている非常に強力な反応です。
他にもたくさんあると思うので随時更新していきます!