カルボニルのα位をハロゲン化したαハロケトンやαハロアルデヒドはファボルスキ転位やα位での置換反応などに使われます。
目次
ハロアルデヒド類の合成
アルデヒドやケトンは臭素や塩素と反応してα位がハロゲンに置換されたハロカルボニル類を生成します。アルデヒドは反応性が高いので、ヘミアセタールやエノールをハロゲン化したほうが良いことが多いです。
ハロゲン化試薬は
- 単体ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素)
- 塩化スルフリル
- ハロゲン化銅(CuBr2、CuCl2)
- N-ハロスクシンイミド(NBS, NCS,)
- TBA Br3
- シアヌル酸ハライド
- DBDMH
などがあります。
ハロゲンか試薬としては単体ハロゲンは反応性が高く、選択性が低いので、塩化スルフリルやハロゲン化銅などが良く使われます。
溶媒はジオキサン、ジクロロメタン、四塩化炭素、酢酸、水、DMFなどがよく利用されます。
ハロアルデヒド類の合成
アルデヒドは臭素や塩素と容易に反応してαハロアルデヒドを生成します。アルデヒドは不安定で反応性が高いため、低温条件で反応させたり、アセタールに誘導してからハロゲン化するという方法が取られることも多いです。
そのため、エノールを予め作っておき、臭素の付加、アセタール化、脱保護という方法を取ることもあります。
エノールを合成する時に塩基性条件を用いると同様にα位のハロゲン置換が進行しますが、ハロゲンの導入によりα水素の酸性度が上昇し、原料よりも反応性が上がってしまうため、ジハロゲン、トリハロゲン置換が進行してしまうことがあります。これを積極的に利用したのがハロホルム反応(ヨードホルム反応)です。
ハロホルム反応 ヨードホルム反応とは?頻出疑問を簡単に解説!
したがって、エノールはシリルエノールエーテルやエノールアセテートなどの単離可能な安定なエノールを利用するか、酸性条件で行うことが多いです。
ハロケトン類の合成
重合や酸化、ポリハロゲン化などが起こりやすいアルデヒドよりもケトンは反応性が低いためハロケトンを得やすいです。
合成方法はハロアルデヒド類と基本的には同じです。
酸の存在によって反応は加速されます。