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Riecheホルミル化反応で芳香族アルデヒド合成

リーシュホルミル化 (Riche formylation)とは?

Richeホルミル化は求電子剤としてジクロロメチルメチルエーテルを用いたフリーデルクラフツ反応に似た芳香族求電子置換反応です。1960年にアルフレッド・リーシュにちなんで命名されています。

ルイス酸触媒としては主に四塩化チタン(IV)を使います。他にSnCl4やAlCl3なども利用されています。

電子豊富な芳香環がジクロロメチルメチルエーテルと反応して生成するアルコキシクロロメチル誘導体は酸加水分解によってアルデヒドを生成します。

Rieche_reaction

Rpngn [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

フェノールはオルト位選択的にホルミル化を受けやすいことが知られています。ジクロロメチルメチルメチルエーテルは市販されています(TCI25g 5900円)

銀トリフラートを酸触媒とした新しいリーシュホルミル化

リーシュホルミル化では強いルイス酸を使うことからフェノールの保護基などが脱保護されてしまうなどの問題があります。

そこで、これまでのルイス酸とは異なる新しいタイプのルイス酸触媒を探索した結果、銀トリフラート(AgOTf)が-78℃の低温条件下様々な置換ベンゼンのホルミル化を温和な条件で保護基の脱保護無しに達成されました。

Ohsawa, Kosuke, Masahito Yoshida, and Takayuki Doi. “A direct and mild formylation method for substituted benzenes utilizing dichloromethyl methyl ether–silver trifluoromethanesulfonate.” The Journal of organic chemistry 78.7 (2013): 3438-3444.
この方法ではトシラートやアシル基があるベンゼン環のホルミル化は進行しませんでしたが電子供与基などを含む芳香環ではホルミル化が進行しています。

反応例1

リーシュホルミル化の例

リーシュホルミル化の例

基質(1.00ミリモル)とAgOTf(3.00ミリモル、3.0当量)脱水CH2Cl2(1.5 mL /ミリモル)懸濁液に、アルゴン雰囲気下、-78°CでCl2CHOMe(3.00ミリモル、3.0当量)の脱水CH2Cl2(0.5 mL /ミリモル)溶液を加えました。-78℃で10分間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液でクエンし、室温で30分間撹拌した後、反応混合物をセライト濾過した。抽出して得られたクルードをカラム精製により目的物を76%の収率で得た。

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