シリカゲルといえば、食品の乾燥材として透明や青色などをしたつぶつぶが袋に入っているのを見たことがあると思います。
子供の時は袋に食べてはいけませんと書かれているあのつぶつぶを無性に食べたくなった記憶がありますが、子供が誤って食べてしまったということがありませんか?
子供だけでなくペットの犬が食べ物の匂いがついたシリカゲルを食べてしまったということもあるかもしれません。
シリカゲルが一体どういった物質なのか?食べてはいけない理由と危険性や毒性を紹介していきます。
シリカゲルを犬や子供が食べても安全
乾燥材として入っているシリカゲルの袋には食べてはいけませんという表記があるために、何か危険なものではないか?と感じてしまうのは当然です。
大人が食べることはないと思いますが、子供やペットは興味をもって食べてしまうことも結構あるのではないでしょうか?
実際シリカゲルは食品の中に入っているだけあって、身の回りの危険なたばこ、漂白剤、除光液などと比べたら安全なものです。致命的な問題は起きないので安心して下さい。
シリカゲルはなぜ安全といえるのか?
シリカゲルが安全かどうかはどのような物質か?ということを知れば理解できるかもしれません。
シリカゲルは物質名でいえば「二酸化ケイ素」です。
二酸化ケイ素は聞きなじみがなく毒っぽさそうですがどのような物質でしょうか?
石英や水晶、ガラス、長石、花崗岩はシリカゲルの仲間
二酸化ケイ素は身の回りの物質でなにか?といえば、ガラスや石です。水晶や石英、長石や花崗岩などの鉱物には二酸化ケイ素がたくさん含まれています。石だから食べてもOKというわけではないですが、得体のしれないものではないということは感じていただけると思います。
ガラスというと危険な気がしますが、それはガラスが尖ったり鋭利な形をしているからです。
身の回りのガラスが容易に溶けだしたり、揮発したりすることがないように、ガラスは非常に安定な物質です。実験器具の基本材料として使っているぐらいだからです。
安定な物質であるということは、消化吸収できないので体に毒性を発揮することが基本的にはできません。
製品安全データシートではシリカゲルは「生体蓄積の可能性はない」としています。また長期毒性、生殖器毒性、発がん性などは見つかっていません。
急性毒性についても経口最高容量を与えられても死亡の兆候は見られなったようです。Rat: > 3300 mg /kg(親水性焼成シリカ)
参考 職場のあんぜんサイト:化学物質:シリカ(結晶質、非晶質を包含した二酸化ケイ素)取得できませんでした
もちろん物理的な作用があるためそれによって毒性を発揮することもあります。
シリカゲルが毒性を発揮する場合
シリカゲルは安全としてきましたが、毒性を発揮する場合もあります。それは二酸化ケイ素の微粒子が肺に入ったときに珪肺と呼ばれる肺疾患になることがあります。
肺は細かい微粒子が肺に入ると肺炎を起こしたりする「塵肺」という肺疾患を起こします。珪肺はその一種です。
食品に入っているシリカゲルはそもそも微粒子ではないのでこの珪肺になることはないので安心してください。
珪肺を起こすシリカゲルは結晶質シリカと呼ばれるシリカです。非晶質シリカゲルは珪肺症を引き起こしません。
参考 珪肺症 - 05. 肺疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版MSDマニュアル プロフェッショナル版
青色シリカゲルは吸湿によって赤色に変化する指示薬として塩化コバルトが含まれています。
塩化コバルトに関しては毒性があります。塩化コバルトを大量に摂取すると嘔吐や下痢などの消化器症状があります。しかし、通常の乾燥材に入ってる量の塩化コバルトでは症状を起こすことはないので、集めた乾燥材をたくさん食べたというわけではなければ心配しなくても大丈夫です。
結論「シリカゲルは安全性が高い!」
食べてはいけないのは食べてもおいしくないし、食べても栄養にならないし、歯にも悪いからですね