ローダミンBを使って脂質や可塑剤、ポリフェノールをTLCで検出!
ローダミンBはローダミン系の蛍光色素の一つで、赤色の蛍光を放ちます。
ローダミンBは細胞染色などにも利用されていて、疎水性表面に吸着しやすいため、プラスチックのボトルに入れておくとボトルが染色されます。
ローダミンBの疎水性物質との高い親和性はTLCの発色試薬に利用できます。ローダミンBを使うと赤色の背景にピンク色のスポットとして現れ、365nmのUVを当てると深赤色の蛍光スポットとして観察できます。
ローダミンBで検出できる化合物とは?
脂溶性の高い物質である脂質(トリグリセリド、高級脂肪酸及びそのエステル)、ポリフェノール、界面活性剤、可塑剤(フタル酸エステル、リン酸エステル、ジカルボン酸エステル)は検出可能です。その他、長鎖アルキル基や多環芳香族炭化水素化合物などは検出対象です。 可塑剤は焼けにくく見にくいことが多いですが、ローダミンBにより良好に観察することが可能だったという報告があります1)。
ローダミンB TLC発色試薬の作り方
ローダミンBの発色試薬は簡単に調製できます。
- ローダミンB 100 mg
- エタノール 100 mL
ローダミンBをエタノール100 mLに溶解させて作ります。
発色試薬ローダミンBの保存方法
調製した発色試薬は安定で室温で長期保管可能です。
発色試薬の使い方
発色試薬を展開後のTLCに対してスプレーもしくはディップした後、365nmの蛍光下でスポットを観察します。スポットは深赤色の蛍光を有するスポットとして現れます。背景色は赤色です。検出感度を上げるにはプレートを塩基性にします。アンモニア蒸気に晒すか、1M NaOH水溶液をスプレーします。
1) H. Haase: Kautschuk Gummi, Kunststoffe, 21, 9 (1968).
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