アルカロイドのうち、基本骨格としてピペリジンを含むものをピペリジンアルカロイドと呼びます。ピペリジンアルカロイドとしてはドクニンジンに含まれるコニインが有名です。ここではピペリジンアルカロイドの種類、生合成などを紹介します。
ピペリジンアルカロイドとは?
ピペリジンアルカロイドはピペリジンがアミンの骨格として組み込まれているアルカロイドの総称です。
ピペリジンアルカロイドを生成する経路としては、
- アミノ酸のリジンから合成(真正アルカロイド)
- アセチルCoAとマロニルCoAから合成(プソイドアルカロイド)
があります。コニインは2のマロニルCoAとアセチルCoAから合成されています。
リジンからピペリジン環に
アルカロイドの基本骨格となるピペリジンは、リジンから合成されます。リジンの脱炭酸により、ジアミンが生成し、酸化によってアルデヒドにイミン環化、還元でピペリジンが生成します。
ポリケチドからピペリジン環を構築
アセチルCoAとマロニルCoAからポリケチドが合成されます。ポリケチドにアミンが入ってピペリジン環が作られます。コニインはリジンから作られずにポリケチド由来のアルカロイドです。
夏目充隆. ピペリジン環を含むアルカロイド類の合成. 有機合成化学協会誌, 1986, 44.4: 326-339.
ピペリジンアルカロイドの種類一覧
自然界に存在するピペリジンアルカロイドの一覧です。
コニイン
コニインはドクニンジン由来のアルカロイドです。ポリケチドからの経路から生合成されるアルカロイドです。
イソペレチエリン
イソペレチエリンはザクロに含まれているアルカロイドで、リジンを原料に生合成されます。
ソレノプシン
ソレノプシンはヒアリなどの毒アリが持っている有毒成分で、ピペリジン骨格を持っています。