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局所麻酔薬 4-アミノ安息香酸エチル

4-アミノ安息香酸はシンプルな構造の局所麻酔薬

p-位にアミノ基とエチルエステルを持つ4-アミノ安息香酸は別名ベンゾカインと呼ばれる局所麻酔薬です。

4-アミノ安息香酸エチルの構造式

4-アミノ安息香酸エチルの構造式

ベンゾカインは体内に入ると加水分解されてエステルが分解して4-アミノ安息香酸になります。

アミノ安息香酸エチルの分解

アミノ安息香酸エチルの分解

ベンゾカインは電位依存性ナトリウムチャネルに作用し、ナトリウムイオンの透過性を低下させることによって神経細胞の脱分極を阻害します。

4-アミノ安息香酸は細菌にとってのビタミン

 ベンゼンにアミノ基とカルボキシル基を持つシンプルな構造を持つ4-アミノ安息香酸(PABA:p-AminoBenzoicAcid)は葉酸という栄養素を作り出すのに使われる原料で、かつてビタミンとみなされていましたが、細菌類と違って人間はPABAを原料として葉酸を合成しないので今はビタミンとされていません。

葉酸の構造式

葉酸の構造式 4-アミノ安息香酸を含む

局所麻酔薬はベンゾカインの他に

  • リドカイン
  • テトラカイン
  • メピバカイン

などがあります。

合成方法

手に入りやすい原料から4-アミノ安息香酸エチルを合成する経路を考えます。

トルエン(Ph-CH3)と安息香酸(Ph-CO2H)は安価な原料です。

これらを出発原料として合成する経路を考えます

アミノ基の導入 – ニトロ基からアミンを合成する

芳香環のアミノ基はニトロ基の還元という信頼性の高い反応で得られます。

ニトロ基は電子豊富な芳香環に対して起こりやすいです。

したがって、安息香酸よりもトルエンの方がニトロ化が起こりやすいです。

さらに電子求引基のカルボン酸の場合ニトロ化は起こりにくくニトロ基もm位に入りやすい(メタ配向性)です。

芳香族カルボン酸基の導入 – エステルの加水分解 or メチル基の酸化

カルボン酸の合成は

  • エステルの加水分解
  • アルデヒドの酸化
  • 芳香環の場合はメチル基の酸化

で得られます。

一般にCH酸化は激しめの酸化条件が必要なため酸化に弱い官能基では使えません。

ニトロ基はすでに酸化されており、酸化には強いです。

合成経路としては

出発原料は安息香酸よりもトルエンのほうがp位にニトロ基を導入しやすいので向いています。カルボン酸はメチル基を酸化して作れます。

  1. トルエンを出発原料として、ニトロ化を行います。
    1. オルト体も生成するため収率はそこまでですが、安価で大量に合成可能です。
  2. pニトロ体を過マンガン酸カリウムで酸化してカルボン酸を得ます。
  3. 次にニトロ基を鉄やスズで還元してアミノ基にします。
    1. 一般的にほとんど精製の必要はありません。
  4. アルコール条件下でフィッシャーエステル化して4-アミノ安息香酸エチルを得ます。

4-アミノ安息香酸エチルの合成

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