正常性バイアスとは?
正常性バイアス(normalcy bias)とは、予期しない事態や期待していない情報が得られたときなどにその情報を無視あるいは過小評価してしまう傾向のことです。正常性バイアスが問題となる事例で有名なのは災害時で、逃げ遅れる原因の一つにもなっているところです。正常性バイアスが働くと「地震後の津波警報が発令されても、避難せずにその場に居続ける」というようなことが起こります。「そんなことはきっと起きない」とか、「いつもそんなことが起きても大丈夫だった」とか、「自分はそんな事態には巻き込まれないだろう」というように異常事態を軽視して、通常状態にあるはずだと思い込もうとしてしまいます。
突然の事態などに慌てふためくというのも冷静な行動が取れなくなるので問題ですが、このように思い込みによって落ち着いて、現状の正しい判断が取れなくなるのは問題です。予測不能な事態が起きたときは、下手に行動をとるよりも何もしないでじっとしておいたほうが安全ということもあるでしょうが、現状起きている事態をみないようにするのは問題です。このような正常性バイアスという存在を認識することが重要です。冷静に判断したあとは、情報収集と現状最善の行動は何であるかを判断し、適切な行動が取れるように意識しましょう。
正常性バイアスを回避する方法
どのバイアスに対する対策と共通していますが、このような癖があることを認識することが重要です。そして、予測不能な事態では正常性バイアスが起こりやすいので、日常でも異常事態が起きた時の対策を考えておくことが重要です。「~が起きたら、~な行動をとる」というようにシミュレーションすることによって、迷わずに判断、行動できるようになります。避難訓練なども、正常性バイアスによって逃げ遅れなどが起きないように実施されています。
落ち着いて何もしないのは冷静な判断・行動ではありません。思い込みによって落ち着き何もしない状態にならないようにしましょう。異常事態が起きたときは必ず何らかのアクションが必要です。何もせずにしていたほうが良いときなどありません。身を動かさずとも情報収集、現状把握などやるべきことがあります。