液体ミルクの規制がようやく撤廃!
乳児用粉ミルクと比べて乳児用液体ミルクは溶かす必要がないため簡単にミルクをあげられて非常に便利です。特に、液体ミルクの簡単さが光るのは、災害時です。粉ミルクって溶かすのにお湯が必要なんですが、災害時はこのお湯を確保するのが難しいんですよね。液体ミルクであればカイロを使って容器ごと温めるなんてこともできるので便利です。このように粉ミルクにはないメリットがあるため、販売を求める声が大きくなっていました。この液体ミルクですが、海外では普通に販売しているもので、安全性などについては問題なさそうです。しかし、厚生労働省によって規制されていたので思うような形で販売することができなかったそうです。しかし2018年8月にようやく法律が変わって販売できる体制にかわりました。
でも、「今まで販売されていなかった液体ミルクを子供に与えるのがちょっと心配」になりますよね?検索すると添加物や毒性などちょっと怖い話もでてきます。これまでなぜ規制されていたのか?本当に安全なのか?という点を紹介していきます。
液体ミルクのデメリット・危険性は?
結論から言えば、液体ミルク自体は安全です。むしろ粉ミルクよりも液体ミルクのほうが安全な面もあります。ただし、必ず使い切ること!これを守らないと危険です!
液体ミルクは粉ミルクと比べて
- お湯が必要ない
- すぐに与えられる
- 災害時でも与えられる
- 液体ミルクに馴染み深い外国人の利便性向上
というメリットがあります。こんなにメリットがあるならぜひとも売って欲しいですよね?粉ミルクだとお湯を持ち歩かないといけないので不便ですから。
デメリットは保存性が悪いので「使い切る」必要がある点です。
こんなに便利そうな液体ミルクが販売されていなかったのは、液体ミルク製造のための法律が無かったからです。
こめやん
なんと法律改正は要望が2009年から政府に出されてから承認までに約9年間もかかりました。こんなに承認までに時間がかかると危険そうな気がしてしまいますが、液体ミルクの安全性については海外でも使われていて問題ありません。
政府に提出された要望書には?
なぜ承認までに9年もの時間がかかったのでしょうか ?
これは単純に他の乳製品に対する法律とマッチする法案を作るのに時間がかかったようです。
生の牛乳はお腹をこわすといいますが、実際に牛乳には細菌が存在していることがあるので、「殺菌をしないと販売してはならない」という法律があります。
特にサルモネラ菌は食中毒の主な原因菌の一つで厳重に監視されています。
食品の安全性は食品衛生法という法律によって管理されています。
法改正の要望書は液体ミルクの製造者などが主になっていて、既存の乳製品の法律と液体ミルクに関する法律の整備を求めた内容になっていました。
具体的な内容は「乳幼児用の液体ミルクが現状の法律にあてはまらないので新しい規定を作って欲しい」という内容です。特に、
- 乳製品に対して海外で使用されているが、日本で禁止されている添加物の許可
- 日本人に合わせた栄養成分の配合に関して
- 食品表示の改定
です。
こうした法律や規則が決まらなければ、海外で販売されていても日本ですぐに製品化・販売というわけにはいきません。
食品表示も厄介で「乳等を主原料とする食品」というよくわからない表示では無用な不安を煽ってしまいます。
このあたりをいろんな業界・団体の人と話し合って決めていたからこんなに時間がかかったということです。
アレルギーや添加物・安全性は?
繰り返しとなりますが、液体ミルクは「基本的に安全です」。
地震が起きたとき北海道で液体ミルクが使用されなかったというニュースから「危険性があるものなのでは?」と考える人もいると思いますが、海外では普通に使われているものですし、フィンランドというしっかりとした国で製造されたものです。ですから「飲むな、危険!」というの誤った解釈です。実際に使われなかった理由は「誰も使ったことのない液体ミルクの使い方がわからなかった・使っていいものか不安だった」というのが実情のようです。当時は日本で販売されていなかったのでためらわれたというのがあるのでしょう。
液体ミルクの注意点!粉ミルクとは違う
ただし注意点があって、液体ミルクは粉ミルクと同じような感覚では扱えません。
粉の状態よりも液体の状態は雑菌が湧きやすいため、余った液体ミルクを保存すると腐敗して食中毒になる恐れがあります。
乳幼児にとっては食中毒が命の問題にもなります。
ですから、余ってもとって置かないで捨てましょう。未使用の液体ミルクの保存も粉ミルクよりも気を使う必要があります。乱暴に扱って小さな穴を開いてしまったり、高温多湿、直射日光などにはさらさないようにします。
アレルギーについては、日本では液体ミルクは普及していなかったので、粉ミルクでは起こらないが液体ミルクではアレルギーが起きるという自体が起こる可能性はあります。
北海道の災害時では、重篤なアレルギーが起きたときすぐに医療機関で診察が受けられないから液体ミルクを使えなかったというのも理由の一つにあったのかもしれません。
粉ミルクに使われていないアレルギー源の食品が入っている場合があるので、アレルギーのある子どもの場合はチェックしてから使用するようにしましょう。
アレルギーが起こる可能性はどの食品でも同じですし、アレルギーの可能性があるからと言って液体ミルクが危険というわけではないので過剰に危険視する必要はありません。もちろん不安に思う方もいると思います。液体ミルクがまだ普及していない段階では、いろいろと問題が起こる可能性があります。不安な方はもう数年間たって十分普及してから使用するほうが良いかもしれませんね。
むしろ粉ミルクのほうが危険な面もある?
最近、育児用の粉ミルク中に混入する細菌であるエンテロバクター・サカザキという細菌による髄膜炎が問題になっています。髄膜炎になると乳幼児の20-50%が死亡したという報告があります。粉ミルクは殺菌していないのか?というような疑問があると思いますが、実は、無菌の粉乳を作るのは現在の技術では難しいようです。この細菌の感染を防ぐにはミルクを作る時に熱湯で溶かし、作ったらすぐに使い切るという方法があります。放置すると増える恐れがあるからです。
これに対して液体は固体と比べて殺菌方法が確立していて、液体ミルクであれば無菌の状態で提供できて安全だということです。(液体ミルクでも封を開けると細菌の繁殖が起こるのですぐに使い切るべき)
髄膜炎は非常に危険なものであるのでその点では液体ミルクに切り替わっていくべきなのかもしれませんね。
各社液体ミルクの参入状況
おおっ、グリコ、明治に続いて雪印も液体ミルクに参入とな!
雪印も乳児用液体ミルク参入へ、株主総会で「発売のめどたっている」(食品産業新聞社ニュースWEB) – Y!ニュース https://t.co/TjF7npfzCl
— 相川晴(HAL) (@halproject00) 2019年6月27日
乳製品製造大手のグリコや明治、雪印などは液体ミルク産業に参入しています。今後は国産の液体ミルクが沢山製造されるようになっていくと思います。赤ちゃんが利用するものなので品質や安全などは特に気をつけて欲しいものですね。原理的には液体ミルクが安全でも製造過程において不良な原料を使用するだとか輸送方法が適切ではないなどといった問題で品質の悪い製品がでてしまっては問題ですからね。
災害時や外出時のため利用するというのも良いですね。
うちは防災バッグを車に常備してて安心だからオススメ👜
・懐中電灯付きでスマホ充電できるラジオ
・オムツ
・お尻ふき
・キューブ&液体ミルク
・生理用品と下着
・使い捨て歯ブラシ、携帯トイレ、ボディシート、ワンデーコンタクトなど衛生用品
・500mlペット水 3本
・お湯注ぐだけ非常食
・猫のご飯— まつお☻4m♀ (@machuouou) 2019年6月24日
使い捨て哺乳瓶に液体ミルク🍼
楽ちんすぎてありがてぇ🙏✨ pic.twitter.com/9Gvf8tljwv— 🎃シロ💜💛 (@gyaos53246) 2019年6月28日
実際に役立っているという声も聞くので全国のママさんたちの負担を少しでも軽くできるなら良いですね!