⚠️ 記事内に広告を含みます。

確証バイアス | 血液型占いや詐欺ビジネスで利用される心理学

確証バイアス

確証バイアスとは物事を判断する際に、自分の先入観(第一印象や勘など)にとらわれて、自分の考えが正しいことを示すことができる情報を優先したり、有利に解釈してしまう傾向です。この確証バイアスは身の回りのいたるところに見られます。ビジネスや詐欺などでも確証バイアスは利用されています。そのため注意しないと重大な読み間違いをしたり、騙されたりする可能性があります。

こめやん

確証バイアスを理解すると詐欺を回避したり、ビジネスで役立ちますよ!

確証バイアスとは?

確証バイアスとはもう一度まとめると

自分の意見、考えに一致する情報ばかりを収集、信じてしまう傾向のこと

です。誰もが、そのような場面に遭遇したことがあると思います。自分に限らず、他人がやっているところを目撃したことがあるのではないでしょうか?このような傾向があるために、「第一印象が重要だ」のように考えられるようになります。

バイアスとは、偏りを表す英語biasから来ていて、先入観、偏見などの意味があります



確証バイアスの例:占いや詐欺ビジネスでも

確証バイアスは曲解すると「信じたいものを信じる傾向」といえます。プライドが高い人は自分自身の考えが間違っていないと「信じたい」ため、あらゆる情報の中からその考えを支持する情報のみを抽出したり、自分に有利な情報を過大評価、不利な情報を過小評価することで自信の考えを裏付けようとします。ここでは確証バイアスの例を挙げます。

確証バイアスの例1ー映画グリーンマイル

有名な映画のグリーン・マイルも確証バイアスの例の一つです。グリーン・マイルでは黒人で大男のジョンコーフィという男が助けようとした少女二人の遺体を抱えているところを現行犯逮捕されます。しかし実際は彼は心優しい男性で冤罪でした。真犯人は被害者家族と面識のあった白人男性でしたが、警察は遺体を抱える黒人の大男が犯人に違いないという「確証バイアス」によって、被害家族と面識のある真犯人にたどり着くこと無く冤罪のままジョンは死刑になります。先入観なしに捜査していれば、面識のあった連続犯の真犯人を捕まえることができたかもしれません。

グリーンマイルでは、「黒人の大男だから犯罪を犯すに違いない」とか、「殺害現場に残っていたのだから犯人だろう」という先入観が確証バイアスを生んでいます。捜査官は彼が犯人となるのに役立つ情報だけを集めたり、重要視したりした結果、冤罪を生んでしまいました。

確証バイアスの例2ー占い、おみくじ

「血液型占い」や「おみくじ」なども確証バイアスをうまく使った例の一つです。占いはそれ自体が正しいか正しくないかを判断できません。そのため当たることもあれば外れることもあります。

占いを信じる人は、占いが外れたことよりも、当たったことが記憶に残りやすく、その情報を重視して好意的に見てしまいます。例えば「今月怪我をするけど〇〇したら避けられる」というのも、怪我の程度は自由に設定できるので、「机に足をぶつけたのを怪我としたり、〇〇したからこの程度ですんだのだ」と結果を自由に解釈できます。このように占いを信じたい人はその占い結果が正しくなるような情報を選択的に抽出してしまいます。

一方で、占いを信じたくない人も一回の占いが外れたことで、それがインチキであると解釈したり、「捻挫ぐらいは怪我とはではない」というように占いが外れる情報を抽出してしまいます。これも占いはインチキだという先入観をもとにした確証バイアスになります。

占いは当たることもあれば外れることもあるという曖昧なものであり、それが正しいか正しくないかを証明できない点でバイアスが生まれやすいものです。詐欺ではこのような性質をうまく利用します。

占い自体を信じる信じないかは個人の自由であり、例え確証バイアスが占いに存在していたとしても問題ではありません。また、確証バイアス自体も否定しているわけではありません。ここでは、日常に潜む無意識下で働く確証バイアスという心・思考のクセの認識と特定のシチュエーションで起こる確証バイアスにかかる問題に対する注意喚起を行っています。

詐欺における確証バイアス

よく「私は詐欺なんかに引っかからない」と思っているひとほど詐欺になりやすいなんて言われることもありますが、このように言われる原因の一つが確証バイアスになります。自分は相手が詐欺師だと見抜けると考えているので、自分の基準で相手が詐欺師ではないと思ったとたんに冷静に考えれば明らかにおかしいことでも信じてしまうことがあります。詐欺手口は進化して巧妙になっていて、その場の知識でそれが詐欺かどうか判断できないので注意しましょう。

こめやん

何かを強く信じる傾向にある人は注意が必要ですね!

  • 弁護士から亡くなった身内が裁判で訴えられていた、示談を受け入れられなったら訴訟する。
  • 警察手帳持った警官が現れる
  • 著名な〇〇さんも利用しているから安心だと誘ってくる

などなど詐欺の手口は巧妙複雑化しています。
振り込め詐欺・オレオレ詐欺は確証バイアスをうまく利用した詐欺の手口だといわれています。家族や自分以外が知りえない情報(名前や住所だけでなく、過去に〇〇病院にいたとか)を相手が知ってると、相手は息子に違いないと考えて、声が違っても風邪を引いてるだけだと納得したり、確証バイアスがかかってしまいます。

確証バイアスの問題点は?

確証バイアスは正しいものの判断ができなくなる恐れがあるという問題点があることは感じていただけたと思います。この確証バイアスは個人の問題だけでなく、社会的な問題となり得えます。

その例は差別です。

人間は大した根拠のないことでもある型を作ってそれに当てはめて物事を考える傾向があります。特にそれが社会通念、常識、迷信など国民みんなが同様に考えているだろうという意識が働くのでより強くなります。

黒人=犯罪が多い   イスラム教=危険な宗教    金髪=不良   血液型A型=几帳面

などがあるでしょう。

確証バイアスによる偏見によってあなたも被害を被る可能性があります。

満員電車、あなたの前に女性がいます。突然悲鳴とともに後ろを振り向き私に向かってこう言います。(きゃ!このミイラ男!痴漢です!こいつ触りました!)

この中年ミイラ男、やりますよ、だって怪しいですもん、キモいですから。となりの爽やかイケメンくんがやる?わけないでしょう。私もそう思います。

と言った『痴漢被害』

警察も証拠集めに、私がやったという確証バイアスがあれば、あいつがやったんだ!あいつが黒だ!証拠を探せ!となり、包帯の糸くずや髪の毛くらい見つけ出すでしょう。私は断じてやっていませんがね!


科学と確証バイアス

科学においても確証バイアスは問題となります。なぜならば、実験結果は自分で選択できてしまうからです。

自分が構築した仮説、予想した方向、そうであってほしい結果、あると思います。

絶対に理論的には間違っていない。だからこの結果は間違っている。と言って、得られた結果を信じずに、期待の結果が出るまで実験をやり直してしまう。

時にはこの姿勢が正しいとかもあります。何か別の予想外のことが起きているということも。時には自分を信じてやりぬくことも重要です。

しかしこれまでの例を見ていただければ理解できると思います。

その実験結果、再現性はありますか?あなたが信じたいだけではありませんか?そのほかの重要な知見を見逃してしまっていませんか?

正しいと思っていることが起きない時こそ、そこに重要なことが眠っているものです。

確証バイアスを回避する方法

確証バイアスを完全に回避することはできませんが、その影響を低減することはできます。対策方法その1は、「確証バイアスの存在を認知すること」です。どんなシチュエーションで確証バイアスが生まれやすくて、どんな問題が生じるかを知っていると、自分が同じ状況になったときに気がつくかもしれません。
対策方法その2は「日常生活でおこる確証バイアスを探す」です。日常に潜む確証バイアスの存在を実感することで、自分自身の確証バイアスを低減できます。
対策方法その3は「考察・意思決定など場面で他人の意見を求める」です。自分の考えだけで物事を決めずに他人の考えや意見を求めるようにすると、バイアスを減らせます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です