固着したすり合わせはまずは手で引っこ抜く
分液ロートやエバポレーターのトラップ球、ガラス栓など放置すると固着してとれなくなることがあります。ものによっては力を入れて外そうとするとガラスが割れて大怪我をすることがあるので気をつけないといけません。無理はしないようにします。
固着したガラス栓は机の角を使って叩く
ここからが本題です。大体取れなくなった栓は木槌やゴム槌で叩いて、とると思います。エバポレーターのトラップ球まわりのスリは良く外れなくなるのですが、大体木槌で軽く叩けば外れます。木槌がない場合は大きめのゴム栓や耐圧管を束ねたもので叩いても効果があります。
固着して外れなくなるのは、分液ロートの栓、放置したガラス栓、ジョイントあたりだと思います。
こういうものは、木槌で叩くよりも机の角を使って叩くのが効果的です。ダルトンあたりの実験台なら机の角は角ばっていると思います。そこにガラス栓の引っかるヘリの部分を狙って強めのドアノックぐらいの勢いで叩きます。割れて怪我をしないように、雑巾やタオルなどで覆ってやると良いかもしれません。一部分だけではなくて回転させてまんべんなく叩くのがコツです。5分間位やってみてください。
分液ロートの中身は必ず出してから行い、割れないようにやさしく叩きましょう。強さよりも回数です。
叩いてだめなら超音波洗浄機ORヒートガン
叩いてだめならそのまま超音波洗浄機にいれて5分間くらい放置します。それで再度同じように叩いてみてください。場合によっては叩かなくても外れることもあります。化合物が固着していそうな場合はアセトンなどの有機溶媒をビーカーにいれてビーカーに固着したガラス栓をいれて超音波洗浄機にかけると外しやすくなるかもしれません。
超音波洗浄機が無いという場合は温める方法も効果的です。ガラスは熱で膨張するので、固着した外側の部分だけを温めるイメージでヒートガンで炙ります。密閉された容器や可燃性の有機溶媒(特にエーテルとか)が入っている場合など、強熱すると危ない場合はヒートガンではなくドライヤーでもよいです。熱膨張させなくても熱によってスリの間に水や溶媒が浸透して固着したものを溶かしたり、熱で固着したものが溶けたりします。
そしてまた叩きましょう。
ゴム槌はガラス破壊の危険が少ないのでおすすめです。安く購入できるのでマイハンマーを用意してみてはどうでしょうか?パンク修理にも使えます。
ゴムハンマーはアマゾンでも変えますがこれと同等のものが100円ショップで手に入ります。
危ないから器具をふるな。
小槌でたたけ
分液ロートは中身が入った状態で振るのは危険なので中身を出してからたたくと安全です。
これは小槌でたたく時も同様です。
机の角でたたくのは一見危険そうですが、やっていることは実質小槌と変わらないので注意深くやれば安全です。