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うつ病の原因は脳にある?病気として科学的に解説してみた。

うつ病や双極性障害(躁うつ病)を含む気分障害の患者数は年々、すべてのライフステージにわたって増加しています。特に、働いている方については、長引く不況や経済状況の悪化、失業率の上昇などを背景に、うつ病を惹起する種々の社会・心理的要因が増加しています。ですがうつ病っていったいどういう病気なんでしょうか?今回も科学的に解説してみます。

うつ病ってどんな病気?

日常生活を送っていて気分が落ち込むことってよくありますよね!

この場合はたいてい病気ではないのですが、気分が落ち込むことを「うつ状態」といいます。

通常の場合は気分が落ち込む原因が明らかなので、その原因さえ取り除いてしまえば回復するので問題ありません。

しかしながらこの原因を取り除いた場合でも気分が回復しないことがあって、このケースの場合うつ病と診断されます。

うつ病の原因は神経伝達物質(モノアミン)だった!?

実のところうつ病がなぜ起こるのかについては、厳密にはまだ科学的な解明がなされたとは言えません。しかしながら1950年代にあって3つの発見によって、モノアミンと呼ばれる三つの神経伝達物質、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンといった化学構造の中にアミノ基を1個だけ含む物質が基分の上がり下がりに関係していることが分かってきました。その発見についてちょっと説明しますね。

1つ目の発見: 結核治療薬とうつ病の関係

うつ病の原因解明に転機となった1つ目の発見は、結核治療薬であるイプロニアジドを服用していた患者の中に、うつ病にも苦しんでいた患者の気分が大幅に改善されたことです。これをよく調べてみると、イプロニアジドという物質は、モノアミン酸化酵素(MAO)と呼ばれるセロトニンやノルアドレナリンといったモノアミンを酸化反応によって分解する酵素の働きを妨げていることが分かったのです。すなわち、MAOの働きを妨げているわけですので、セロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンがうつ病に関与しているのではないか?という仮説が生まれたのです。

2つ目の発見:高血圧治療薬とうつ病の関係

うつ病の原因解明に転機となった1つ目の発見は、高血圧治療薬としてレセルピンを服用していた患者さんの約15%に対して深刻なうつ病が発症したことです。この理由について調べてみると、レセルピンが何らかの働きで脳内にあるモノアミンの量を低下させていたことが分かったのです。モノアミンの量が少なくなるとうつ病になりやすいことが発見されたわけですね。

3つ目の発見: 自殺者とうつ病の関係

うつ病の原因解明に転機となった1つ目の発見は、うつ病によって自殺した方の頭蓋骨の内部で能や脊髄をつけている液体である脳脊髄液を分析した際に、セロトニン分解物の量が極端に少ないことが認められたことです。これによってうつ病と脳内のセロトニン量の低下に何かしらの因果関係が推測されたわけです。セロトニンもモノアミンの一種ですから、やはりモノアミンとうつ病の関与が疑われたわけです。ちなみにこのモノアミンが原因でうつ病が発生するという仮説は「モノアミン仮説」と呼ばれています。

うつ病の治療薬

現在使用されているうつ病の治療薬は、この「モノアミン仮説」に基づいて開発されています。特に、現在用いられているのはセロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミンの量を増やすものではなく、モノアミンの利用効率を高めるという間接的な方法をとっています。

現在の治療薬の仕組み

神経細胞と神経細胞の間にはシナプスと呼ばれる隙間があり、その間を神経伝達物質が通ることで情報のやり取りをしています。神経細胞から出た神経伝達物質は、もう一方の神経細胞にある受容体と呼ばれるたんぱく質にくっつくことで情報を伝達します。そして伝達し終わった神経伝達物質は再取り込み受容体というタンパク質によって捕まえられて本の細胞に取り戻します。この再取り込み受容体が神経伝達物質を元に戻すのを妨げることで脳を興奮させて、落ち込んだ心を改善させます。

現在使われている薬の中には三環形抗うつ薬、SSRI、SNRIなどがあります。

 

 

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