パスタに塩を加えるのは沸点を上げるためじゃない?
パスタって茹でるのに時間がかかるのが難点ですが、作るのが簡単でよくお世話になっています。パスタを茹でる時に何の疑問もなく塩を加えていると思いますが、あれは何故か知っていますか?
こめやん
確かに、水に何かを溶かすと沸点が上昇するということを聞いたことがあります。では、その沸点がどのくらい上がるのでしょうか?
水1Lに対して大体、食塩(NaCl)は20gくらいいれます。1Lの水に対して溶質1mol加えると沸点が0.52℃上昇すると言われています。(1molは1ダースのようなまとまりの単位)。
NaClは58.4gで1molになります。そこから計算すると20gのNaClのモルは20÷58.4 = 0.342 molとなります。ちなみにNaClは水に溶かすとバラバラに分解して2つのイオンができます。そうなるとモルは2倍になるので、水に溶けている溶質のモルは0.684 molです。したがって、1mol溶かすと0.52℃沸点が上昇するから、0.684 mol×0.52℃/mol=0.356℃ となるため、20gの食塩を溶かすと0.356℃上昇します。
たった0.356℃しか上昇しないのであれば、誤算ですね。だれが沸点上昇だといったのでしょうか?1℃上げるなら食塩を60gくらい入れないといけません。ちなみに気圧で沸点が変化するのも有名で、スカイツリーのてっぺん(634m)で沸騰させると沸点は98℃になります。二度も下がってしまうのでまずくなるんでしょうかね?
パスタに塩をいれるのは沸点を上げるためはおそらく間違い
沸点の1℃も満たない上昇が奇跡的な美味しさを上げる秘密でもない限りは沸点上昇を狙ったいう説は違うと思います。沸点を本気で上げたいなら圧力鍋を使ったほうが良いですね(2気圧かけると沸点が120℃になる)。今度、圧力鍋でパスタが美味しくなるか実験したいと思います。
塩をいれるのは下味をつけるためという説があります。塩を入れたほうが経験的に美味しくなるというのでその理由は科学的に調査したわけじゃないので感覚ですよね。塩を入れた方がパスタは美味しく茹で上がりますよね?気のせいだったかもしれませんが。