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鳥がアリを体にこすりつける!?蟻浴と呼ばれる不可解な行動とは?

鳥がアリを体にこすりつける不可解な行動!蟻浴とは?

アリの大群を目にしたカラスが突然自分の体をアリに擦り付け始める…。この不可解な鳥の行動は「蟻浴」として昔から知られている鳥の行動の一つです。鳥はアリの大群を見ると体を擦り付けようとする習性があります。なぜ鳥はこんな不可解な行動をとるのでしょうか?

蟻浴は古くから知られる鳥の行動!

蟻浴と呼ばれるアリを体にこすりつける行動は古くから知られています。なぜこのような不可解な行動をとるのか?その謎について、2015年、Biology Bulletin Reviews という学術雑誌で投稿された”Why do birds practice anting?(鳥はなぜ蟻浴行動をとるのか?).”というレビュー論文でまとめています。

結論を言うと「なぜ鳥が自分の体にアリをこすりつける行動を摂るのか、それに対する説得力のある証拠は依然として見つかっていない」ようです。

しかし、いくつかの仮設が考えられています。

  1. 体表の寄生虫の駆除(アリのギ酸によるもの)
  2. 羽毛のクリーニング
  3. アリを食べる前の下ごしらえ

などが考えられているようです。

アリを体にこすりつける行動をなぜ行うのか?

この疑問に対してまず思いつくのは、鳥はアリが持つ何らかの成分を体につようとしているのではないか?ということです。アリが持つ化学物質はたくさん存在しているでしょうが最も有名で効果的であると考えられているのは「ギ酸」です。ギ酸は強い酸性で、殺虫、殺菌効果があると見られています。このギ酸を体に塗りたくることによって、羽につく昆虫やダニなどを駆除していると予想されています

アオカケス(Blue Jay)の行動からもう一つの仮説が提唱されています。アオカケスはアリを食用とするのですが、アリの持つギ酸は食用とする場合は毒性があり邪魔です。アオカケスは自らの体を在りに擦り付けることによって、アリに刺激を与えることによってギ酸の分泌を促し、羽で拭くことで、食用に適したギ酸が少ないアリを作っているという説です。この行動は人工で育てられたアオカケスでも見られたことから、本能的な行動であると考えられています1)

1) Eisner, Thomas, and Daniel Aneshansley. ““Anting” in Blue Jays: evidence in support of a food-preparatory function.” Chemoecology 18.4 (2008): 197-203.
2) Morozov, N. S. “Why do birds practice anting?.” Biology Bulletin Reviews 5.4 (2015): 353-365.
鳥の古くから知られている行動がまだ知られていないとういのは面白いですね。よく観察していたらその辺の鳥が蟻浴しているところが見られるかもしれません。

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