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医学領域での人体の方向の表現の仕方

「右手が痛いんですか?」という表現だと誤解が生じるときがありますよね?私から見てなのか、あなたから見てなのか?ということです。対面して会話している状態では良いのですが、紙面に書いてある時にはきちんとした決まりごとを作っておこないと、誤解が生じます。(私から見て)左側の腎臓を摘出してください。というメモがあって間違えて患者の左側の健康な腎臓を摘出してしまうかもしれません。

医学領域では、人体について表現するとき、専門的な用語が使われます。そんな決まりごとについて取り上げます。

解剖学的正位が基本

人体の部位について表現するときは、解剖学的正位(anatomical position)という直立仰向けが基本となります。勝手に頭を右にして寝かせたりしたポジションで表現してはいけません。そして右左などは患者側からみた右・左です。

図の左側が解剖学的正位です。つまり、右大腿部、上部外側の知覚障害が起きているという表現ならこちらがわからみて左太ももの上部、外側が麻痺したりして知覚障害してますよという意味になります。

各部位の名称

人体を3つに分けると

頭頸部、体幹(胴体)、体肢(手足)

更に細かく分けると

頭、頸、胸、腹、上肢(方、上腕、肘、前腕、手)、下肢(臀部、大腿、膝、下腿、足)

体の面

体には基本的な平面がある。図中の輪切り状態なのが水平面(横断面とも)、赤:矢状面、青:冠状面です。

X線などの撮影面は冠状面ですね。

CT画像などは水平面が多いと思います。

体の相対方向

体の縦軸あるいは横軸に対して相対的な方向を指したいときの用語があります。

近位(proximal)と遠位(distal)

下肢に対しては、心臓方向を近位(proximal)、つま先方向を遠位(distal)といいます。

上肢に関しても同じように体幹側を近位、末端側方向を遠位です。

内側と外側

横軸に関しては、みぞおち側を内側(Medial)横腹側方向を外側(Lateral)と表現します。

(紙面の向こう側からこちら側に向かって引いた線軸を矢状軸という。矢が刺さる方向という感覚、矢状軸に対してお腹側を腹側、背中側を背側といいます)

運動方向の表現

体の関節は、軸に対して様々な方向に運動できます。その運動の方向にも名前がついています。

体肢を体幹縦軸から遠ざかる方向への運動を外転(abduction)、体幹へ近づく方向への運動を内転(adduction)という(図中、下の真ん中の図)

関節に対して曲げられる方向への運動を屈曲(flexion)、伸ばす方向を伸展(extension)という。

四肢を内側方向に回転させる方向を内旋(Medial rotation)、外側方向への回転を外旋(lateral rotation)という。

手首の運動に関する方向

手のひらを上にしたとき、手のひらを下側に回転させる方向を回内(pronation),反対を回外(supination)という。

 


まとめ

体の方向を指す言葉でもたくさんの医学用語があります。覚えておくと医師同士の会話が理解できるようになるかもしれません。

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