アルケンのハロゲン化 ハロゲン化水素によるモノハロゲン化

アルケンのモノハロゲン化

アルケンのモノハロゲン化はハロゲン化水素の付加により達成できます。。生成物はマルコフニコフ則に従いハロゲンは置換基の多い炭素に付加します。

本記事ではアルケンへのハロゲン化水素の付加を中心にモノハロゲン化について紹介します。

アルケンのモノハロゲン化

アルケンは求核付加反応を起こしやすいことから、ハロゲン単体と反応して1,2-ジハロアルカンを生成します。同様にハロゲン化水素とも反応してモノハロゲン化アルキルを生成します。

アルケンはプロトンに攻撃してより安定なほうのカルボカチオン中間体の生成を経由してハロゲン化物イオンが攻撃、モノハロゲン化が達成されます。この生成物はマルコフニコフ則に従った生成物になります。

アルケンへのハロゲン化水素の付加

アルケンへのハロゲン化水素の付加

教科書的な反応ですが、実際の合成では少々問題があります。

臭化水素では反応が室温でも進行しますが、塩化水素は反応性が低く加熱を要する場合があるので塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒を添加が必要となるかもしれません。

また、強酸性条件下ではカルボカチオン生成による転位反応が進行しやすく、特に多置換アルケンでは起こりやすいです。

マルコフニコフ則は絶対ではなく、逆の選択性を示す例もあります。

反応条件

塩化水素や臭化水素を使う場合は有機溶媒中にハロゲン化水素ガスを通じて反応させる方法が良いです。飽和した有機溶媒も販売されています。

酸素や過酸化物を添加すると選択性が逆転することがしられています(peroxide effect)。

塩化水素による塩素化

強酸であるため酸に弱い官能基は耐えません。Boc基などの保護基は外れます。

Moskalenko, A. I. and Boev, V. I. Russian Journal of Organic Chemistry, 50(11), 1584-1589; 2014

無水ジオキサン(8mL)にアルケン(5mmol)を溶解させ、HCl飽和ジオキサン(20mL)を加えて室温で20時間攪拌した。濃縮し、50mLのエーテルを加えて24時間放置して目的物を93%で得た。

HClガスは持っていないこともあると思うので、HCl飽和溶液が便利です。ジオキサンが良く使われます。

臭化水素による臭素化

臭化水素による臭素化も塩化水素と同様の条件で進行します。HBr-AcOHが便利です。

Oniciu, Daniela Carmen et al Patent WO.2012054535, 26 Apr 2012

臭素化水素酢酸を加えて室温で8時間攪拌し、氷水に反応物を加えて沈殿物をろ取、ろ液から抽出して目的物を82%で得た。

過酸化ベンゾイルを加えて反応させることもあります。

Gupta, Ajay et al From U.S. 20110319459, 29 Dec 2011

また酸素存在下で臭素化するとαハロカルボニルが合成できます。

Nobuta, Tomoya et al Synlett, (15), 2335-2339; 2010

アルケン(0.3 mmol)、48%aq HBr(1.1 eq)、H2O(50μL)およびEtOAc(5 mL)の溶液をO2バルーン、22 W蛍光灯で12時間照射しながら撹拌した。

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