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システマティックレビューとメタアナリシスの違い

システマティックレビューとメタアナリシスの違い

同列で語られることの多いシステマティックレビューとメタアナリシスにはどのような違いがあるのか?わかりやすく解説している記事は少ないです。

どちらも、すでに報告された論文を一定の基準のもと審査し、集めた論文を比較・分析する調査研究です。どちらもエビデンスレベルの高い研究として理解されています。

メタアナリシスは統計学的な値を算出して数値的に議論する点がシステマティックレビューとの違いです。

システマティックレビューとメタアナリシスを簡単に解説

結論から言うとシステマティックレビューとメタアナリシスの違いは、

システマティックレビュー:課題に関してプロトコールに従った文献調査・選択、評価し、結果を統合し、課題に対する批評を行う総説

メタアナリシス:課題に関してプロトコールに従った文献調査・選択、評価し、統計学的な手法を用いて定量的に結果を統合・提示する

システマティックレビューとメタアナリシスの定義はあいまいなので別のところでは異なる説明がなされているかもしれません。

システマティックレビューは定性的でメタアナリシスは定量的ともいえます。

システマティックレビューではエビデンスの質を重要視するのに対して、メタアナリシスは定量的に結果を表すために統計学的な手法を使います。

研究のエビデンスレベルの高さとは?

システマティックレビューとメタアナリシスの違いを理解するためにはエビデンスレベルについての知識が必要です。ランダム化比較試験(RCT)がなぜ信頼性が高いかという知識がある方はこの章を読み飛ばしてください。

薬Aが疾患Xに効果があるか?ないか?を検証・証明する方法は無数にあります。

例えば、疾患Xをモデル化した細胞や動物に投与してみて効果があるか調べるのもその方法の一つです。

しかし、動物効果があったことを根拠に処方された新薬を飲めますか?あるいは販売できますか?

おそらく多くの人はNOと答えると思います。なぜなら人間と動物は微妙に異なるからです。例えば人間は玉ねぎを食べても平気ですが犬は中毒症状を引き起こします

同じように米国人男性5人に投与試験した医薬品でも人種、年齢、性別の差で効果の差があるかもしれませんし、人数も5人と少ないので重大な副作用などを見逃しているかもしれません。

このように研究にはデザインによってそれぞれエビデンス(検証結果・証拠)が異なり、そのレベルも異なります。

  1. 動物実験で効果有り
  2. 米国人男性5人で効果有り

下の図は各研究デザインのエビデンスレベルをピラミッド状に並べたものです。詳細は下記記事を参考にしてください。

対象が動物である動物実験は最もエビデンスレベルが低く、上に行くごとにエビデンスレベルが高くなります。ランダム化比較試験は薬を投薬する群と偽薬を投薬する群をランダムに分けてさらに試験者も誰がどの群かわからないように(盲検化)して試験する方法で、エビデンスの質が高い研究法として知られています。

エビデンスピラミッド

エビデンスレベルピラミッド、メタアナリシスはシステマティックレビューよりもエビデンスレベルが高いといわれる(図中では逆だが)

メタアナリシス・システマティックレビューと他の研究手法との違い

薬Aが疾患Xに効果があるか?などを検証する研究手法は複数あり、それらにはエビデンスのレベルが分かれていることを紹介しました。

メタアナリシスとシステマティックレビューはランダム化比較試験や動物試験などの試験方法とは根本的に異なる点があります。

メタアナリシスとシステマティックレビューは報告する研究者自身は人や動物を使って研究・実験しません。すでに発表されている論文を厳正な基準をもとに集めて結果を比較・統合する研究です。

このような研究を二次研究といいます。

薬Aが疾患Xに効果があるのか?ということを証明したい時には一人の研究者だけのデータよりも複数の別々の研究者たちのデータから出た結論のほうが信頼できますよね?もしかしたらある研究者は効果有りといっても他の研究者は効果なしという結論を出している可能性もあるのです。

二次研究のエビデンスレベル

メタアナリシス・システマティックレビューと総説との違い

メタアナリシスとシステマティックレビューは定義がはっきり決まっておらず混同していることも多いようですが、一応の区別があるようです。

どちらも報告されている複数の論文を一定の基準のもと集めて比較、統合して解釈する点は同じです。

こう見ると普通の総説論文(レビュー)と同じような気がしますが、レビューと異なるのは

  1. 特定の疑問や課題について論じる
  2. 取り上げる論文は課題に関するものに限定され、網羅的な文献検索の後、質的評価基準を満たすものだけ選定され
  3. 出版バイアスなどの各種バイアスリスクを評価する

普通のレビューではそれぞれの分野・領域の特定のテーマに関する論文を著者の主観的な判断にて集め、これまでの研究の展開と最新の展開および将来の展望についての著者の見解を述べるものです。例えば「アルツハイマー病の診断と進行の予測法」などです。

システマティックレビューやメタアナリシスでは疑問や課題などについて論じます。

「アルツハイマー病の認知機能回復に対する運動の効果」などです。この課題を評価できるような論文を網羅的に検索します。見つかった論文にはエビデンスレベルの低い論文や課題評価には合わないものがあるので除外します。

普通の総説と異なるのは、除外した論文もなぜ除外したのか?基準や理由を載せる必要がある点です。

また、複数人で個々の研究の質について評価します。

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