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悪臭を発する化学物質の特徴とは?

悪臭物質の特徴と取り扱い方

人間が臭いと思う「悪臭」を発する化学物質には化学構造的に共通の部分があります。果たしてどのような特徴があるのか?悪臭と化学構造について紹介します。

悪臭防止法があるくらいにおいの問題は生活の質を低下させる

臭いの問題は結構深刻で、人によって嫌いなにおい、好きなにおいがありますが、悪臭は人にとって耐え難いものになります。

においはなれることにはなれますが、においによって気持ち悪くなったり、頭痛がしたりなど身体に不調を起こす程の影響力があります。騒音などではこのようなことは起こりにくいので臭いの深刻さが理解できると思います。

こめやん

においって人によって感受性が大きく違って、人によって悪臭が気にならないとか良い匂いという人もいるのが複雑ですよね…

悪臭防止法は悪臭を発生しうる化学物質をリストして、工場などからの排出を規制する法律です。悪臭防止法に載っている化学物質としては、

  1. アミン類 (アンモニア、トリメチルアミン)
  2. スルフィド類(メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、
  3. アルデヒド類(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-ペンチルアルデヒド
  4. アルコール類(イソブタノール)
  5. エステル類(酢酸エチル)
  6. ケトン類(メチルイソブチルケトン)
  7. カルボン酸類(プロピオン酸、n-酪酸、n-吉草酸、イソ吉草酸)
  8. 炭化水素類(トルエン、キシレン、スチレン)

があります。

悪臭化合物の一覧

ここで挙げられている化合物は臭いを発する化合物ですが、中にはいわゆる悪臭」というよりも臭気が強いとか大量に排出する恐れがあるものなども入っています。特にエステル類は基本的に果物のような臭いなので悪臭というほどではありませんが、酢酸エチルが入っています。炭化水素類も好き嫌いはありますが、シンナー臭がします。

一方でわかりやすい悪臭の例としては、アミン類、スルフィド類、一部のアルデヒド類、カルボン酸類などがあります。スルフィド類は硫黄が入ったイオウ化合物で、硫黄が入ると磯や玉ねぎやにんにくのような臭いになります。これだけきくといい匂いのような気がしますが、ものすごく濃縮されたような感じなので決して良い匂いではないです。そして極微量でも臭います。

カルボン酸類も炭素数が上がると臭くなります。酢酸はお酢の匂いで臭いですが、炭素数が多くなると足の裏やチーズなど腐敗したような臭いに変化します。アルデヒド類も炭素数によって臭かったり、良い匂いだったりします。バニラの匂いもアルデヒド類ですが、悪い臭いには感じませんよね?

硫黄や窒素を含む化合物は大体悪臭があると考えて良いのではないでしょうか?


悪臭物質の取り扱い方

  1. 取扱いはドラフト内で扱う。開けしめと後処理を含めて!
  2. 過剰に使用しない。必要量以上に購入しない
  3. 水道などに流さない
  4. 使用した器具類は脱臭して廃棄する、脱臭法としては次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12%Cl2)に漬ける。特にイオウ化合物類

これらのことに気をつけましょう。

個別の注意点

アミン類

アミン類は塩基性なので、塩酸などの酸で中和すると臭いがなくなる。有機溶媒中では塩として析出するのでろ別して廃棄する。

カルボン酸類

カルボン酸は酸性なので水酸化ナトリウムなどで中和して塩として除去する。炭素数が多いと塩として析出しにくなる。(いわゆる石鹸)

硫黄化合物

硫黄類は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理すると無臭にできる。水溶液中に使用したガラス器具類全てを入れて処理する。

リン化合物

悪臭防止法にはリストされていないがアルキルホスフィン類は臭いがある。イオウ化合物と同様に次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理して脱臭する。

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