セミファイナルは「蝉爆弾」とも呼ばれる、セミの死んだふり攻撃です。セミの最期(ファイナル)をあらわすためにセミファイナルと呼ばれています。
なぜセミファイナルは人を脅かすのか
なぜセミファイナルが起こるのか?どうしてセミは私達を死んだふりをして驚かしてくるのか?蝉嫌いの人にとっては理解できないと思います。しかし、あのセミファイナルは蝉が私達を驚かせようとしているのではなく、単に死にそうなギリギリ状態、まさにセミファイナルなのです。
セミファイナルの見分け方
道端に落ちているセミがひっくり返って仰向けになっている時に足が折り畳まれていればそのセミは死んでいます。逆に足が開いていたり、折り畳まれていてもきれいにたたまれていない場合は生きている可能性が高いです。
セミと梅雨の関係
セミが鳴き始めると梅雨が明けると昔から言われているようです。
しかし、夏に鳴いているイメージがあるセミですが、種類によって鳴く時期はまちまちです。
例えば、ハルゼミと呼ばれるセミ(ギーギー鳴く)は5月ゴールデンウィーク開け頃から鳴き始めます。
とはいっても、多くのセミ(クマゼミ、アブラゼミ、ひぐらし、ニイニイゼミ)は夏、7月上旬あたりから鳴き始めるので、梅雨明けの時期セミの鳴き声を聞くようになるのはタイミング的にはあっているといえますね。
最近セミが良くなくな~と感じたら梅雨明けしているかもしれません。
ちなみに平年の梅雨入りと梅雨明けは6/8入り、7/21明けです。
セミはなぜおしっこをかけるのか?
セミが木についている時に、セミとりをしようと近づいたら「ミンミン」といって飛び立つのと同時に水滴をかけられたことはありませんか?
通称「セミのおしっこ」ですが、実はおしっこというよりも木の水分のようです。セミは植物の汁を吸って栄養としていますが、植物の汁には栄養よりも多くの水が含まれているため、必要な栄養素をとるには大量の水を摂取する事になってしまいます。セミにとっても水分は大事ですが、あまりにも水分が多いと飛べなくなってしまうため、植物の汁中の不要な多くの水分を取り除く必要があります。
セミは飲み込んだ植物の汁から水分のみをダイレクトに排泄できる器官を持っています。ちょうど栄養素のみをろ過するような感じですね。セミのおしっこというのは植物の汁を飲んでダイレクトにこしとった水分を放出した物です。
ちなみに水分の除去に関わっているのが「アクアポリン」というタンパク質です。アクアポリンは水分子のみを選択的に通過させることができます。実際にセミの濾過器官にはアクアポリンが集中分布していることが証明されています。
同じく植物の汁を吸っているアブラムシですが、こいつらは栄養が通っている植物の師管から吸い取っているので水分除去が必要ないです。セミも道管ではなく師管から吸えたら良いんですがね。
セミは美味しい?
セミはあの小さな体でとても大きな鳴き声を持っています。あまりにもうるさいので夜眠れなくて困っている人もいるようです。
セミがあんなに大きな声で鳴けるのは、お腹全体に空洞が広がっていて、お腹全体で共鳴させるているためにあんなに大きな音で鳴けるようです。それと同時にセミのお腹には鳴き声を出すために大きく立派な筋肉が存在しています。大きな筋肉をもっているため、セミを食べると美味しいようですよ。
中国ではセミはよく食べられる食材の一つのようですので食べられなくはないのでしょう。
参考文献
東政明; 三宅誠司. 昆虫と水, アクアポリン. 日本比較内分泌学会ニュース, 2004, 2004.115: 115_19-115_21.