DNPによるケトンとアルデヒド検出の原理
DNP(2,4-Dinitrophenylhydrazine)はケトンやアルデヒドと反応して黄色~橙色に呈色します。TLC上でも黄色から橙色のスポットとして検出できます。検出試薬には酸が含まれているため、アルデヒドのアセタール保護体などは外れて検出される場合があります。
DNPのヒドラジンはケトンやアルデヒドに求核付加、脱水によりヒドラゾンを形成します。生成したヒドラゾンは芳香族ケトン・アルデヒドではより濃く発色(橙色)し、脂肪族では黄色に発色します。DNPは Brady’s 試薬やBorche’s 試薬とも呼ばれます。
DNPはアルコールからアルデヒド・ケトンを合成した時などに便利です。
発色試薬のレシピ・作り方
- 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン 75 mg
- エタノール 25 mL
- 85% リン酸 25 mL
DNPをエタノールに溶解し、リン酸を加えて調製します。できるだけ冷蔵庫で保存したほうが良いです。室温で数ヶ月以上保存すると沈殿が生じてきますが、使用している感じでは使えています。
リン酸がない場合
- 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン 1.2 g
- 濃硫酸 6 mL
- 蒸留水 8 mL
- エタノール 20 mL
でも作れます。
DNP 発色試薬の使い方
展開後のTLCをDNP発色試薬溶液にディップします。フリーのアルデヒドなどは加熱しなくても瞬時に橙色に発色します。反応性が低いケトンなどは加熱が必要です(110℃ 10min)。あまり加熱しすぎると焦げて発色が見えなるので注意します。
検出できる化合物は、アルデヒド、ケトンの他、還元糖(アルドース、ケトース)、デヒドロアスコルビン酸などがあります。