サフランとは?
サフランといえばやはり黄色いサフランライスですね!
サフランライスは見たことがあってもサフラン自体をみたことはあるでしょうか?
サフランはアヤメ科の花で赤い雌しべを干したものが香辛料として使われています。
サフランは独特な香りとカロテノイド由来の鮮やかな黄色い色素が含まれています。
一つの花からとれる量はとても少ないことから世界一高価な香辛料と言われます。10万個のサフランの花から取れるサフランは約1kgだそうです。
サフランの成分は?
サフランに含まれる成分を香り、色素、味の3つの側面から見ていきましょう。
- 香り:サフラナール
- 色素:カロテノイド
- 味:ピクロクロシン
サフランの毒性は低く大量摂取しても安全なスパイスです。
黄色い色素 クロセチンとクロシン
サフランの鮮やかな黄色の成分はクロセチンに2分子~4分子のグルコースがエステル結合したクロシンという成分です。糖類が結合しているのでこの色素は水に溶けやすいです(水溶性)。
クロシンにはがんに対する作用が確認されていてがん細胞のアポトーシスを誘導すると推測されています。その他にも血清中のコレステロールや中性脂肪低下作用も認められているそうです。
他の面白い効果としては、記憶学習を改善する効果も確認されています。抗酸化作用を持つビタミンE(αトコフェロール)と比べても高い抗酸化作用が確認されている系もあります。
正山征洋. “サフランの薬理活性.” 長崎国際大学論叢 9 (2009): 61-73.
独特な香り成分・サフラナール
サフランの独特な香り成分はアルデヒド基を持つサフラナールという環状テルペンアルデヒド由来です。
サフラナールは精油成分の6~7割ほどを占めている主要成分です。
サフラナールの効能としては
- 抗酸化作用
- 胃潰瘍からの保護(インドメタシン誘導性)
- 抗けいれん
- 抗うつ
- 睡眠導入作用
などが認められているそうです。サフラナールはGABAA受容体複合体のBDZ結合部位に結合しやすく催眠効果を示します。
サフラナールの効能については下記の論文が詳しいです
Rezaee, Ramin, and Hossein Hosseinzadeh. “Safranal: from an aromatic natural product to a rewarding pharmacological agent.” Iranian journal of basic medical sciences 16.1 (2013): 12.
ピクロクロシン
配糖体のピクロクロシンは苦みのある成分でサフランの味成分のひとつです。
グルコシダーゼによって分解するとグルコースと脱水を経てサフラナールが生成します。