芳香環のベンジル位を臭素化して生成するベンジルブロミドは種々の求核剤と反応して対応するベンジル誘導体が生成します。
本記事では芳香環のベンジル化する方法を紹介します。
目次
ベンジル位の臭素化
ベンジルブロミドはベンジル基を導入する試薬として重要です。
ベンジルブロミドの合成方法として、アルコールから合成する方法とベンジル位のC-Hを直接する臭素化する方法があります。
ベンジル位のC-Hの臭素化
NBSを使った臭素化 ウォール・チーグラー反応
NBSは臭素よりも安全な臭素化剤で、AIBNなどのラジカル開始剤を加えて臭素ラジカルを発生させて臭素化する方法で、ウォール・チーグラー反応と呼ばれています。
ベンジル位・アリル位を選択的に臭素化することが可能です。
ウォール・チーグラー反応 アリル位・ベンジル位のNBSによる臭素化
CuBr2を使った臭素化
CuBr2を使っても臭素化可能です。
tBuOOHやtBuONO, O2などを同時に用いることもあります。
1,3-Dibromo-5,5-dimethylhydantoin(DBH, DBDMH)による臭素化
DBHはNBSと同様にベンジル位や芳香環などを臭素化する試薬です。臭素が2つ入っているので0.5eq使えばよいです。DBHは酸に弱い基質を臭素化するときに有用のようです。