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17族元素の沸点や価電子などの特徴を紹介

17族元素の特徴と性質のまとめ

周期表の1~18族の元素たちのうち17族は特徴的な性質を示めす重要な元素が名を連ねている族です。これらは「ハロゲン」と呼ばれており、無機・有機化学においても重要で、日常生活にも深く関わっています。今回は17族の元素の特徴(沸点や酸化数、価電子)をまとめて紹介していこうと思います。

17族は「ハロゲン」F、Cl、Br、I、Atの5元素+Ts!沸点や融点など基本情報のまとめ

17族元素は別名「ハロゲン」と呼ばれています。17族元素のうち塩素「Cl」は最も有名で、身の回りに溢れている17族元素です。生物の体の中でも塩素は無くてはならない重要な元素です。食塩NaClは最も有名な無機塩でしょう。

元素沸点℃融点単体の結合エネルギーKJ/mol電気陰性度電子配置
F(9)-188-2201554.1[He]2s22p5
Cl(17)-35-1012392.8[Ne]3S23p5
Br(35)58-71902.7[Ar]3d104s24p5
I(53)1831141492.2[Kr]4d105s25p5
At(85)337302[Xe]4f145d106s26p5

ハロゲン元素は皆最外殻に7個の電子を持っています(価電子7個)。つまり、一つの電子を得てイオン(アニオン)になることによって、最も安定な希ガスの電子配置になります(最外殻価電子の数が8個)。また、イオンにならなくても、別の原子と電子を共有することによっても同様に安定な電子配置になります。そのためハロゲン元素は2原子が共有結合した二原子分子(Cl2やBr2など)を形成しています。

ハロゲン原子の性質としては、第一、第二、第三周期と原子番号が大きくなるほど原子が大きくなるため、沸点、融点が高くなります。そのためフッ素や塩素は気体ですが、臭素は液体、ヨウ素やアスタチンは固体です。

単体の結合エネルギーは2原子分子を構成したときの元素間の結合エネルギーを指します。塩素が最も結合エネルギーが大きく、フッ素が小さくなっているのは電気陰性なフッ素原子同士の反発によるものであると考えられています。そのため、フッ素分子は非常に反応性が高く、希ガス以外のほとんどすべての元素と反応すると言われています。塩素以降結合エネルギーが小さくなっていくのは原子サイズが大きくなることによって結合距離が長くなり、結合エネルギーが減少していると考えられます。

塩素は海水中にNaClやMgCl2など様々な塩として大量に存在しています。一方で地殻中にはフッ素は蛍石、アパタイトなど鉱石として大量に存在しています。アスタチンに関しては放射性物質であり、自然中にはほとんど存在していません。


テネシンという17族の新しいハロゲン元素が追加!

テネシン(原子番号117)は第七周期の元素で人工的に作られた元素です。テネシンはロシアとアメリカの合同チームよって発見された元素で、2010年に発表され、2015年に国際機関によって新元素として認められました。放射性物質ですが、予測されていた半減期よりも長いことから、ウランよりも重い原子では元素の安定性が低下する傾向が逆転する領域である「安定の島」が存在する証拠かもしれないと言われています。ハロゲンの仲間ですが、大きすぎるためハロゲンの性質とは異なっている点が多いようです。

ハロゲン化水素の性質

ハロゲン分子は水素と反応してハロゲン化水素H-Xを生成します。有名なハロゲン化水素は塩化水素(塩酸)です。これらはプロトン(H+)を放出することから、強酸として知られています。中でもフッ化水素(HF)はガラスもとかす強酸として知られています。しかし酸性度に関してはヨウ化水素が最も大きく、臭化水素、フッ化水素の順番に小さくなります。

HFHClHBrHI
pKa=3-4-9-10

このようにpKaは大きく異なり、HFはどちらかというと弱酸です。pKaが大きくなっているのは、電気陰性なフッ素の原子半径が小さいせいで、フッ素と水素同士の静電的結合が強くなってしまうからで、ヨウ素が最も強い酸性度であるのはヨウ素が大きく水素との静電的結合が弱くプロトンが解離しやすくなっていることが原因であると考えられています。

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