⚠️ 記事内に広告を含みます。

爪を噛むクセがあるとぎょう虫になりやすいって本当?

爪を噛む人はぎょう虫になりやすい

爪を噛む癖がある人はぎょう虫になりやすいと言うのを聞いたことがありますか?

この話は事実です。

また、爪を噛むことによるデメリットは想像以上にたくさんあります。
ぎょう虫への感染など「感染症」の原因となったり、出っ歯などの美容上の問題、成人であれば礼儀作法を疑われるなどです。

癖になっている人にとって、爪噛みは精神を安定させる効果があるかもしれませんがデメリとが多いのでやめたほうが良いです。

子供が爪を噛む癖があるなら、感染症になる危険があるので爪を短く切りそろえたり、やめるよう促しましょう。

爪を噛むとぎょう虫になる根拠

爪を噛む癖があるとぎょう虫になりやすくなる」という話があるのはご存知でしょうか?

これは、ぎょう虫の卵が付着していた場合に体内にぎょう虫が入り込むからだと考えられます。

ぎょう虫

ぎょう虫

人間の手指は色んな所を触るので、様々な微生物、化学物質が付着しています。とりわけ爪の間はゴミが溜まりやすい部位です。

もしもぎょう虫の感染源に触れている場合は爪を噛むことで体内にぎょう虫が侵入してしまうかもしれません。もちろん爪噛み以外にも「指をしゃぶる」という行為も同じく感染の危険を増加させます。

こめやん

食品以外のものを口に入れるという行為は感染症を引き起こすリスクを高めるということですね。でもどうしてぎょう虫の卵があるの?

ぎょう虫の感染者が家族などの身の回りにいる場合、ぎょう虫感染者は成虫のぎょう虫が肛門周辺に卵を産み付けられます。この卵が付着した衣類と一緒に選択すると、他の衣服などに卵が付着します。手、爪に卵がついていた場合、爪噛みによってぎょう虫に感染します。

ぎょう虫は日本ではほぼ根絶?

肛門にセロファンをぺたんと貼り付けてぎょう虫卵を検査するぎょう虫検査。

実は平成28年から廃止されています。衛生環境の改善によってぎょう虫保有者が減少したからです。

昭和の頃は人口の半分くらいにぎょう虫がいましたが、平成26年の学校保健統計調査によるとのぎょう虫保有者は0.1%台とかなり低いレベルになっています。

下水道の整備、糞肥料から化成肥料への移行などが寄生虫感染を減らした要因と考えられます。

しかし、実は世界的にみればぎょう虫感染者はまだたくさんいます。アメリカ合衆国では4000万人の感染者が存在すると推計されています。

爪噛みのデメリットはぎょう虫にとどまらない

爪を噛むことによるデメリットは

  • 前歯のかみ合わせ・歯並びが悪くなる(出っ歯・すきっ歯)
  • 歯肉を傷つける
  • 細菌・寄生虫感染
  • ひょう疽 (爪周囲炎:指先が腫れて膿む。ささくれから発症することも)

前歯で爪を噛むため、前歯の歯並びが悪くなります。特に歯や顎が成長期である幼児期は出っ歯やすきっ歯になりやすくなります。
また爪は固く鋭利であることから、歯肉を傷つけて炎症を起こす原因になります。逆に口腔内にも最近はたくさんいるため、指にささくれなどの傷があるとそこから細菌感染を起こして化膿してひょう疽になる可能性もあります。

指には微生物がたくさんいて、それを口に入れると感染症を起こす危険があります。ぎょう虫だけに限らず他の感染症にかかる可能性があります。

爪噛み癖は障害?(Onychophagia)

大人になっても爪を噛むクセがある人は身の回りにはいますか?

日本では人前で爪を噛むことはマナーが悪いこととされているため、厳しくしつけされているため少ないですが、海外では結構多いみたいです。

爪を噛む癖は衛生的、美容的なデメリットがあるにもかかわらず、癖になっているひとが多いため、良く研究されています。

医学的には爪噛みは「総人口の20-30%が罹患している治療困難な障害」として扱われています。なぜ爪噛みをするのか?爪噛みによってどんなデメリットがあるのか?というようなことが実際に研究されています1)

ポーランドの医学生を対象にした研究では、爪を噛まない人よりも爪を噛む人のQOL(生活の質、ストレスの多さとか)が低いことが明らかになっています。爪を噛む人に対する社会からの負のレッテル(スティグマ)に対する心理的負担、爪を噛むのに費やす時間、爪を噛むのやめられない心理的負担がQOLを低下させていました2)

1) Halteh, Pierre, Richard K. Scher, and Shari R. Lipner. “Onychophagia: a nail-biting conundrum for physicians.” Journal of Dermatological Treatment 28.2 (2017): 166-172.

2) Pacan, Przemysław, et al. “Onychophagia is associated with impairment of quality of life.” Acta dermato-venereologica 94.6 (2014): 703-706.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です