お正月のおせちにはおせちの時だけ登場する食べ物たちがたくさんいます。
そのうちの一つがチョロギです。このチョロギはそもそも何なのか?見た目が似ているものがないので不思議に思いますよね?
実はチョロギは日本だけでなく、中国、フランスなどでも食べられているんです。しかもチョロギは中国では風邪の治療に用いられる薬用植物として利用されています。
チョロギとは?
チョロギはシソ科の植物で中国から伝わった植物です。
良くおせち料理に出てくるのは収穫期が11-12月ということもあるのかもしれません。食べている部分は塊茎でジャガイモと同じような部分です。特徴的な形をしていて面白いですよね。
栽培は簡単でやせた土地でも栽培できるようです。シソ科の植物は結構強いものが多くて育てやすいことが多いです。また、シソが独特の風味を持つようにシソ科に分類される植物にはミント、ローズマリー、バジルなどの多くのハーブがあります。
実際にチョロギも中国では薬用植物として利用されており、薬理効果があることが研究により発見されています。
チョロギの効果
チョロギは古くから薬用植物として利用されていただけあっていくつかの薬理効果が発見されていました。
チョロギの栄養成分に関しては重要な炭水化物源(100gあたり195kcal)であり、食物繊維、カリウム、鉄が豊富です。
薬理成分として見つかった化合物を紹介します。
Verbacoside(ベルバスコシド)は配糖体であり、キク類の植物で見られ、薬理作用としては、抗炎症、抗酸化、抗がん作用が確認されています。
K. Hayashi, et al, Japanese Journal of Pharmacology, 62 (1994), pp. 47-52
HarpagideとMelittosideも配糖体であり、シソ科の植物に見られます。これらも様々な薬理作用を示すことがわかっています。例えばHarpagideは骨粗鬆症に対して有効であることが報告されてています1)。
Melittosideは抗酸化作用と強い抗炎症作用を示します2)。
1) Chung, Hwa-Jin, et al. “Anti-osteoporotic activity of harpagide by regulation of bone formation in osteoblast cell culture and ovariectomy-induced bone loss mouse models.” Journal of ethnopharmacology 179 (2016): 66-75.2) Samuelsen, Anne Berit. “The traditional uses, chemical constituents and biological activities of Plantago major L. A review.” Journal of ethnopharmacology 71.1-2 (2000): 1-21.
Venditti, Alessandro, et al. “Polar constituents, protection against reactive oxygen species, and nutritional value of Chinese artichoke (Stachys affinis Bunge).” Food chemistry 221 (2017): 473-481.
まとめ
チョロギは変な見た目をしているだけではなく、多くのハーブを抱えるシソ科の植物だけあってたくさんの薬理作用が発見されている高機能な食品だったりします。特に抗酸化作用や抗炎症作用が着目されているようです。食べれば健康になるという簡単な話ではありませんが、おせちに入っていたらちょっと食べてみると不規則になりやすいお正月を健康に過ごせるかもしれませんね。