有機金属試薬を酸素で酸化させるとアルコールを合成できます。
有機金属試薬の酸化でアルコールを合成
有機金属試薬は炭素求核種としてアルデヒドやケトンと反応させればアルコールを合成できますが、炭素が最低1つ増えてしまいます。
例えばブチルリチウムとホルムアルデヒドとの反応ではペンタノールが生成します。
アルデヒド・ケトンに有機金属化合物への付加反応でアルコール合成
そこで酸素分子による酸化をおこないます。
グリニャール試薬や有機リチウム試薬は酸素と反応するとペルオキシドが生成します。これが分解してアルコールとなります。
先ほどの例とは異なり、炭素数はブチルリチウムのC4のままで、ブタノールが生成しています。
反応は簡単で低温酸素雰囲気下で攪拌することにより酸化できます。グリニャール試薬のほうがアルコール合成に適しています。
有機金属試薬が変わると反応名が変わる
有機金属試薬としてはブチルリチウムやグリニャール試薬がありますが、有機ケイ素化合物や有機ボラン試薬も使えます。
アルキルボランを用いるものはブラウンヒドロホウ素化に続く酸化処理によるアルコール合成として有名です。
また有機ケイ素化合物も同様にヒドロシリル化に続く酸化処理でアルコール合成ができます。
他にも有機スズ試薬なども使えます。