寒くなる時期は温泉に浸かりたくなるものですね
日本では温泉が身近なだけあって研究が盛んです。
この記事ではこれまでに紹介した温泉を科学的な視点で考察してみた記事をまとめて紹介します。
目次
温泉の研究
古くから湯治といって温泉地に長期間滞在して病気を治療したりする風習があるように、日本では温泉は体を清めたりする以外にも疲労回復や病気の治療のために利用していました。
そのため、日本では温泉と病気の治療を結び付けた研究が盛んにおこなわれています。
温泉には様々な効果や効能が言われていますが、そのなかには科学的な根拠が得られているものもあります。
科学的な根拠が見つかっていないからと言って、まったくそれが効果がないとは言えないので注意してください。
湯あたり
湯あたりは温泉に浸かることで起こる副作用として知られる症状です。湯治など温泉に連日浸かることで、だるさや食欲不振、悪寒などの全身症状が現れます。
湯あたりは古くから知られているものですが、研究はあまりされておらず、その原因もあまりよく分かっていません。
しかし、湯あたりが起こる条件などはあらわになってきています。
約一か月間で一日に20分程度の入浴を2~3回行う温泉療法プログラムを行ったところ80%被験者で3~7日目で湯あたりを引き起こしたという報告があります。
1) 永田勝太郎. “湯あたりと温泉療法 (温泉ロゴセラピー).” 日本温泉気候物理医学会雑誌 78.2 (2015): 105-107.
また、酸性泉や硫黄泉などの刺激が強い温泉では発生頻度が多いという報告があります。疲労がたまっているときなど体調が悪いときも起こりやすいようです。
湯あたりの処置や湯あたりと間違いやすい症状などについては以下の記事に続きがあります。
放射能泉
ラドンは原子番号86番目、第18族の元素で放射性を持ちます。放射能泉はこのラドンが存在する温泉で放射能泉として温泉法で定義されています。
有馬銀泉や三朝温泉などは有名な放射能泉地です。
放射性物質といわれると危険なイメージがありますが、温泉につかるなどの短期間の利用であれば健康的な問題は生じないと考えられています。
日本は温泉が有名なだけあり、温泉の効果に関する研究も多いです。
例えば、動物レベルではSOD活性の上昇などの変化が報告されています。
放射能泉については比較的研究が盛んなのでさらなる研究成果の蓄積が期待されます。
詳しくは以下の記事を閲覧してください。
湯かぶれ・湯ただれ
湯かぶれや湯ただれは温泉につかることで起こる皮膚炎のことです。
湯かぶれは皮膚が弱い人などで起こりやすいといわれています。酸性の温泉や硫黄成分が多い温泉では起こりやすいので、該当する人は気を付けましょう。
湯ただれの原因については複数の原因が考えられています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
リウマチ性疾患・変形性関節症・腰痛の疼痛抑制効果
温泉が疼痛の治療に対して有効というのは昔から言い伝えれているものですが、リウマチ性疾患の痛みに対して温泉が有効であるという結果がシステマティックレビューで報告されています。その論文では詳しいメカニズムは不明のようですが、放射能泉がリウマチ性疾患の疼痛抑制に有効で、エビデンスレベルも高いと報告しています。
ほかにも変形性膝関節症や腰痛の疼痛抑制効果についても有効であるという報告があります。
詳しくは以下の記事を確認してください
科学的な根拠が高い温泉の効果とは?システマティックレビューを紹介
システマティックレビューについて知りたい場合は以下の記事
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療に温泉を利用するというのもよく言われる温泉の効果の一つですが、これについても研究がなされています。
アトピー性皮膚炎の原因の一つとされる黄色ブドウ球菌の感染ですが、温泉が黄色ブドウ球菌を殺菌し、また温熱効果によりアトピー性皮膚炎が改善したという研究報告があります。温泉中に含まれるヨウ素が殺菌成分であると報告されています。
詳しくは以下の記事を確認してください