ロンサムジョージという巨大ゾウガメをご存知でしょうか?
ロンサム(ひとりぼっち)のジョージはガラパゴス諸島に住むピンタゾウガメの最後の生き残りです。
ロンサムジョージは100歳を超えるといいます。
そんなロンサムジョージのゲノム解析の結果がゾウガメの長生きや巨体の秘密の解明に役立ったという論文がNature ecology &evolutionに投稿されました。
この記事ではピンタゾウガメ最期の生き残りロンサムジョージの物語と論文の内容を紹介します
ピンタゾウガメが絶滅!
ガラパゴス諸島は大陸とつながっていなかったことから他の土地では見られない珍しい種がたくさんいます。
そのような独自の進化を遂げた種を固有種と呼んでいます。
ガラパゴス諸島には十種のゾウガメが生存しており、何万頭もいるようです。
ちなみにガラパコス諸島のガラパゴスはスペイン語でゾウガメという意味です。
絶滅したはずのピンタゾウガメに生き残り!ロンサムジョージ
ピンタゾウガメは食用として乱獲されたため数が減ってしまい、1906年以降生き残りが発見されてなかったことから絶滅したと考えられていました。しかし、1972年に推定60歳のピンタゾウガメ ・ ロンサムジョージがピンタ島で発見されました。
ロンサムジョージと遺伝子的に近いメスのゾウガメが発見されたため、ロンサムジョージと交配させて絶滅を防ごうとしましたが、交配するも卵はかえらず結局絶滅してしまいました。
死亡時には皮膚細胞のサンプルが採取されていました。
ゲノムの調査が行われた
Nature ecology & evolutionにロンサムジョージを含むゾウガメのゲノム解析によって、ゾウガメの巨体と長寿の秘密の解明を目指しました
QUESADA, Víctor, et al. Giant tortoise genomes provide insights into longevity and age-related disease. Nature ecology & evolution, 2019, 3.1: 87.
他の近縁種とロンサムジョージの遺伝子の比較を行った結果、特定の遺伝子の増加を観察しました。
その結果43の遺伝子が引っ掛かりました。
これらの遺伝子が長寿と巨大さに関係があるとして、さらなる調査を行いました。
その結果、がん抑制遺伝子が多く、過剰発現していることがわかりました。
がん関連の遺伝子としてはSMAD4、NF2、PML、PTPN11およびP2RY8があげられます。
100歳を超える亀は癌のリスクが大きいが癌の発生が少ないのはこの遺伝子によるものだということがわかりました。
こめやん