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カイコが飛べない理由
カイコが飛べない理由は蚕の体が大きく・重いことが主な理由です。カイコの羽にとってその大きな体は空を飛ぶのには重すぎます。カイコはもとから飛べない蛾なのか?というとそういうわけではありません。カイコは飛べなくなってしまったのです。本記事では、カイコが飛べない理由について紹介していきます。
カイコとは?
カイコはチョウ目に分類される昆虫の一種です。小学校の時に授業でカイコを育てたことがある人がいるかもしれません。
カイコの見た目はガっぽいですが、チョウもガも同じチョウ目の仲間でその見た目からチョウとガを区別するのは難しく、きれいな見た目のチョウ目の種類(アゲハチョウ科、セセリチョウ科等)をチョウと呼んでいるに過ぎないです。ツバメガなど綺麗な見た目をしたガもいます。
そんなカイコが属するチョウ目ですが、昆虫の中でも種類の多いグループに属しています。ちなみに見つかっている昆虫で最も種類が多いのは何目かご存知でしょうか?最も種類が多いのはカブトムシやホタル、てんとう虫が属する甲虫目で、その次に多いのがチョウ・ガが属する鱗翅目(りんしもく)、次がハエ・カ・アブが属する双翅目(そうしもく)、ハチ・アリが属するハチ目、カメムシ・セミ、アブラムシが属する半翅目(はんしもく)、バッタ・コオロギが属する直翅目(ちょくしもく)が来ます。
動物界 節足動物門 昆虫綱 甲虫目は動物全体の中で最も種類が多い目として知られています。
さて、本題のカイコについてですが、カイコは大昔から飼育されてきた昆虫です。なぜなら、カイコが作る繭が絹糸の原料になるからです。絹糸から作られる布地であるシルクは艶やかな光沢と滑らかな肌触りが特徴の高級布です。
養蚕業という言葉があるようにシルクを作るためカイコをたくさん飼育してきました。なんと4700年以前からカイコは飼育されていたようです3)。
絹糸をたくさん作れる個体のほうが好ましいので、野生のカイコと比べて、いっぱい食べて成長が早く、大きな繭をつくります。そして体のサイズも大きいです。
カイコが飛べない原因として、この体の大きさがあります。大きいからだであるため、翼にかかる負担が大きくなります。また、2020年の論文では、カイコが飛べない原因として、翼が柔らかいこと(機械学的特性)と翼を動かす飛行筋が変化していることを報告しています。昆虫は羽をもっていても飛べないものがたくさんいます。その多くは翼を動かす筋肉が退化しているようです。
カイコにかぎらず飛行能力を失っている家畜としてガチョウやニワトリがいます。飼育する上で飛ばないほうが管理しやすいので、意図的にそういう個体を選択した結果なのかもしれません。
参考文献
1)チョウとガの違いとは? https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/052400008/061400003/?P=3
2) 地球上にいる昆虫の種類はどのくらい? Stork, Nigel E. “How many species of insects and other terrestrial arthropods are there on Earth?.” Annual review of entomology 63 (2018): 31-45
3)顧希佳. “養蚕文化の中・日比較民俗考.” 比較民俗研究 18 (2002): 17-72.
蝶と蛾の違いは止まってる時に羽が閉じるかどうかで区別すると聞いたことがあるぞ。
何で飛べないかわかんなかったぁ
もっと説明ほしいです(笑)