ハロー効果とは社会心理学用語で、
ある顕著な特徴(利点や欠点)に引きずられて、全体の印象、評価が歪められてしまう傾向、バイアスのことです。
いわゆる人間の直感に関わるバイアスです。
ちなみにハローは挨拶のハローではないです。聖人の頭の上にある光輪のことです。
ハロー効果の意味とは?
ハロー効果は
「人あるいは企業やモノに対する評価を与える際に、突き抜けた部分、特徴的な部分に引っ張られて、他の部分の評価が歪められてしまう傾向のこと」
を指します。ハロー効果は悪い印象と良い印象のどちらでも働きます。
ハロー効果が生まれる原因の一つは、人間には特徴的な部分に着目し、それをもとに残りの全体を想像しようとする癖があることです。
たとえば、背が高く身体ががっちりしている人を評価する時に、リーダー的素質があるか?強い精神を持っているか?体力に自信があるかという項目があれば、背の高さとガッチリとした体格をしているから、リーダー的資質、体力、強い精神を持っていそうだと思いがちです。
これは背が大きく体格が良いという特徴に実際は何の関係もない項目の評価が引っ張られることによって生まれます。このハロー効果は全体評価に対してポジティブに働くため「ポジティブハロー効果」と呼ばれます。背が小さくて猫背でおとなしいというような人に対してはネガティブに働くため「ネガティブハロー効果」と呼ばれます。
ハロー効果の例
ハロー効果はもともと1920年に米国の心理学者の軍人評価の実験から見つかったものです。軍上官は部下の評価について、背が大きくイケメンの部下を最も賢いとか他の項目に対しても全体的に高評価をつけていた結果から見つかったものです。
つまり、世間的に見て、自分から見て、好意的な印象を与えるような人に対しては、全体の印象も良くなる傾向があるということです。
イケメンや美女のほうが「コミュニケーション力が高い」「優しい」「知的」「しっかりしていそう」などとプラスの印象を与えることが多いようです。人事評価でもそういう傾向が生まれるようですよ。もちろん身体的な特徴以外にも学歴や仕事などの経歴などでもハロー効果は見られますが、見た目の良さは何の言葉を発さずとも相手に好印象を与えることができるので強い武器になるわけですね!
こめやん
「著名な医師が、専門外の物理学の話をしていても、権威があり、説得力があると感じてしまう傾向」があると思いませんか?
他にも
「見た目がきちんとしているビジネスマンの方が信頼が置ける」
凄く良い商品でも一部に欠点があると酷評に転じる傾向など悪い方向にも働きます。
どうせ〜だからでしょとか、〜な人は〜な人が多いとか、一部の評価が全体の評価に影響を与える例はたくさんあります。
ハロー効果は直感的判断を可能にすることから昔の狩猟時代は有利だったかもしれませんが現代ではそのようにはいかないでしょう。詐欺師などはうまくこの直感をコントロールして近寄ってくるでしょう。
こめやん
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