死んでいる貝が開かないのは本当か?
死んでいる貝は加熱しても開かないという話を聞いたことはないでしょうか。
しかしこれは本当なのか調査してみました。
加熱調理して開かない貝は食べないほうが良い
加熱調理して開かない貝は死んでいるのか?どうかを調べてみましたが、加熱調理しても開かない貝の状態について調べた文献は見つけられませんでした。
開かない貝は死んでいる可能性があると書いてあるくらいです
” Do not eat clams or mussels that do not open when cooked, it is likely that they have died, and are not safe to eat.”NUTRITION, GCE. “& FOOD SCIENCE.” Utah State University, Logan, UT, United States (1975).
一方で、加熱しても開かない貝については食べずに捨てるようにと書いてある文献は多いです。
FDAは開かない貝は食べないようにと書いてあります。
1) https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/selecting-and-serving-fresh-and-frozen-seafood-safely
2) Baker, George L. “Food safety impacts from post-harvest processing procedures of molluscan shellfish.” Foods 5.2 (2016): 29.3)Mitra, Amal K. “Vibrio vulnificus infection: epidemiology, clinical presentations, and prevention.” Southern medical journal 97.2 (2004): 118-120.
冷凍したアサリは開かない貝が多いそうですが、これは凍結や解凍によって生じる貝肉の細胞破壊により溶出した粘着性たんぱく質が貝の結着を強くするためと考えられています。
アサリが死亡したことにより粘着性たんぱく質が溶出して貝の結着を強めているかもしれませんね
滝口明秀. “加熱前処理による凍結アサリの製造方法.” (2002): 85-88.
また、死んだ貝は貝柱のたんぱく質が変性して熱変性を起こしにくくなり口が開かなくなるという記述も発見しました。
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/science_qa/post_17.html
死んでいる貝の見分け方
アサリなどの二枚貝は見た目では死んだかどうかわかりにくいです。
購入時にすでに死んでいる貝を調理してしまうと、腐敗による食中毒や料理の風味を残ったりする原因になるので食べないほうがよいです。
死んでいる貝は
- すでに完全に口が開いている(閉じない)、中身がでている
- 口が少し開いているが、押したり刺激しても閉じようとしない
- 異臭・腐敗臭がする
- 水に沈めた時に底に沈まずに浮く
などの特徴があります。わかりにくい場合は塩水に沈めて静置しておくと口が少し開き始めるのでその状態で閉じるかどうか確認しましょう。